このコーナーも私だけでなく,Kazさんが色々と苦労話やバグ談議をしてくださるそうで今後楽しみである.
さて今日はIBMPC用ソフトの話.実は,先ほどまで『インターフェース』誌を読んでいたのだが,その中でIBMPC用の面白いソフトウェアの紹介記事があった,そのお話である.プログラム名をAXEという.ファイルの圧縮・自己復元を行うツールプログラムであるが,ARCやLHARCとちょっと違うのは,対象とするファイルがCOM/EXEのみという事と,圧縮処理されたファイルが元のファイルに置き代わるという事である.圧縮率はLHARCにはとてもかなわないけれど,例えば
AXE FORMAT.EXE −c −nとコマンド入力し,FORMAT.EXEを圧縮すると,できたファイルもFORMAT.EXEになるという.元のFORMAT.EXEはどこかえ消えてなくなってしまう.勘のいい人ならここまでの説明でこのプログラムの面白さがどこにあるか分かったと思う.LHARCなどで圧縮したプログラムファイルは,実行させる場合には,一旦,解凍(復元)処理を行う必要がある,ところがこの場合にはそれが不用なのである.この場合ならば,DOSコマンドでFORMATと入力すると圧縮されたFORMAT.EXEがメモリ上にロードされ自動復元された後に動き出すという.
このプログラムの面白いところは,まだ他にもあって,例えば圧縮後のファイルサイズが,元のファイルよりも同じか大きくなる(自動復元等のローダが付加されるため)場合には,ファイルの置き換えをしないのだが,この大きさの比較判断は,ファイルサイズではなくディスクのクラスタサイズで行っている点である.ファイルサイズがたとえ小さくなっても,ディスクに格納する際に占有するディスクスペースが同じならば置き換えをしないということで,奇抜なだけでなくなかなか実用的な面も持ち合わせているのである.
このプログラム開発者はアーカイバの元祖ARCを開発した者だという事で,やはり米国プログラマは面白い事を先駆的に開発するなと感心した次第.このプログラムは,PC98でも動作可能で,MS−DOSマシンならどれでも動作するそうで,購入は今はやりの個人輸入で手に入るらしい.詳しい事は,『インターフェース』誌3月号に載っているので興味がある方は読まれるといいと思う.