メール拝見しました。FMV−466D3のCPU換装についてご興味をお持ちのようですね。

 さて、私の持っているFMV−466D3はFMV−DESKPOWERシリーズとして売られていたものを購入したものです。あなたのお持ちのものと全く一緒なのかどうか分かりませんが、私のボードで実現、経験した範囲でお答えしておきます。

 私も、元々あった486DX2の変わりに、友人から486DX4を借用して取り付けてみた事がありますが、パフォーマンスは上がりませんでした。

 CPUの電圧調整については、このマザーボードは、DX4のCPUピン番号S4の「VOLDET」端子を見て3.3Vに設定してくれますので問題無い訳ですが、このマザーボードにDX4を載せると、なぜかCPU内部の1次キャッシュメモリの動作が無効になってしまいます。

 BIOS設定をいくらいじくっても有効になりません。CPUピン回りをいじくればなんとかなるのかも知れませんが、AMD5x86に置き換えた方が早道と思いそれ以上の追求はしませんでした。

 1次キャシュメモリが働かないのでパフォーマンスはぐんと落ちてしまう訳で、私の経験ではDX2よりも遅いくらいでした。

 さらに、このマシンに付属のDX2−66CPUは一般のPCショップに出回っていたDX2−66とは若干仕様が異なっています。ライトバック・エンハンスドDX2−66と断り書きが付属説明書のFMV−GUIDEに載っています。

 試しに、友人がショップで購入したDX2−66を載せてみると、これまた1次キャッシュが無効になってしまったのです。富士通のマシンは、コストダウンの関係なのか作りが若干特殊ですのでこんな事が起こるのだろうと思っています。

 さて、ご質問のクロックアップ関係の情報です。この後に図入りで説明していますが、AMD5x86を差して動作確認を行う場合、BIOSが認識するCPU名やCPU速度はいい加減な表示が出ます。もともとFMVのBIOSが知らないCPUを使う訳ですから致し方ない所です。

 でも、適当なBENCHマークやCPU速度を検出するプログラムで測定すれば、動作速度は、150MHz(50x3)や160MHz(40x4)で動作していることが確認できます。

 FMVー466D3マザーボードに刺さっているライザーカードですが、このカードのPCIバスは、バスクロック40MHzや50MHzではまったく動作しませんでした。HDDやビデオの高速化のためにPCIのSCSIカードやビデオカードをお使いでしたら、それらを外した状態で動作確認してください。ISAやVLのカードは40Mや50Mでも問題なく動作しました。



** FMV−466D3のベースクロックの設定 *******

 FMV−466D3のベースクロックは、25M、33M、40M、50Mの設定が可能です。  クロック設定に関係するジャンパーピンは、JP11、JP17の2箇所です。ピンの場所はマザーボード上に印刷があるので分かるかと思います。

 下記に図で示しておきます。図の上側が、外部コネクタ取り付け側として見てください。図の下側はメモリ取り付け位置方向になります。


           JP11
          +----+
         1|・・|2  25Mに設定するなら 1-2 をショート
         3|・・|4  33Mに設定するなら 3-4 をショート
         5|・・|6  40Mに設定するなら 5-6 をショート
         7|・・|8  50Mに設定するなら 7-8 をショート
          +----+


      JP17 
    +------+   40M,50Mの場合には 1-2 をショート
    |・・・|   25M,33Mの場合には 2-3 をショート
    +------+
     1 2 3
 

** AMD5x86への換装 ****************

ショップなどでは、486マシンの機種別の電圧変換ソケットなどを一緒に使うように勧める所がありますが、FMV−466D3に関しては、AMD5x86をそのまま載せ替えできます。

 3.3Vへの電圧変換は、DX4を載せた時と同様に、5x86のS4ピンのVOLDET端子により自動で設定されます。

 次に、5x86はベースクロックの3倍速と4倍速の2種の動作モードを持っています。これは、CPUのピン番号R17のCLKMULで制御します。このピンをオープンにすると3倍、グランドに落とすと4倍の動作をします。

 DX2−66を外し、AMD5x86を差しただけでは、このCLKMULのピンはオープン状態のままですので、33Mx3倍の99MHzで動作します。この状態で、先に書きましたベースクロックの設定を40M、50Mと変更すれば、120M、150Mで動作します。

 それでは、4倍速にするにはどうするかですが、マザーボードの改造を行わなくても可能です。CPUのCLKMULのピンは、うまい具合にJP20の10個あるピンの一つに接続されています。このピンをVSS(グランド)に接続すればOKです。具体的には、下図のようにすればOKです。なお、JP20の近くには、ボードにJPx4と印刷された3ピンのジャンパーピンがあります。JP20は、CPUに電圧供給するヒートシンクのついたレギュレータトランジスタの近辺にあります。


 
      1 2 3
    +------+              
JPx4|・・・|        1=VSS, 2=VOLDET, 3=NC
    +------+
     +----+
     |・・|1 2      1=NC, 2=+5V
 JP20|・・|3 4      3=CLKMUL, 4=VCC
     |・・|5 6      
     |・・|7 8
     |・・|9 10     4倍速動作にするには、JPx4の1番とJP20の3番を
     +----+        細い線材等で接続する。


4倍速設定にしてベースクロックを40Mにすると5x86は160MHzで動作します。さすが50Mx4の200MHz動作はダメでした。

 160MHz(40x4)で動作させるよりも150MHz(50x3)の方がベースクロックが高い分パフォーマンスが良くなります。