このビデオカードはサーバーにちょうどいい

S3 Savage IX
    Retail Box

S3 Savage IX 8M AGP  S3のSavageIXビデオチップを使ったノーブランドのビデオカード。

 インターネット向けサーバーを構築した際、ビデオカードは手持ちのPCI-Mach64カードを載せた。サーバーOSにはRedHatLinux7.3をインストール、MozillaでアップデートソフトをダウンロードするためにXウィンドウシステムもインストールした。Mach64カードが古い為かXがうまく起動しない。そこで、代わりの最新カードとして、梅田のパソコン工房で、このカードを購入した。AGPx2,ビデオメモリ8MBで1,480円と安かった。ドライバCDやマニュアルもしっかりと付いている。

 このカードを持ち帰って開封した時、ちょっとびっくりした。見てのとおりビデオチップ(SavageIX)とBIOSの2つだけで構成しているかのようなカードだ。インターネットで調べてその理由がわかった。このビデオチップは、モバイルPC用に開発されたもので、8MバイトのメモリやRAMDACを一つのチップに納めてある。100MHzのSGRAMが使われている。モバイルPC用というだけあって、低消費電力設計がなされており、3Dオペレーション時で1.5W以下という。チップクーラーやヒートシンクも無い。静音PCや小型PCにはもってこいのビデオカードだ。24時間稼働のサーバーにとっても最適な事は言うまでもなかろう。

 さて、このビデオカードがXで素直に動いてくれれば何も言うことは無いのだが、これがまたまた、はまってしまった。XFree86 バージョン4はこのチップをサポートしている。Xの設定の後、Xを起動して見るとウィンドウサイズが640x480にしかならない。1024x768のサイズで表示したいのだが、何度設定を見直しても640x480より大きくならない。はたと困ってしまった。Xの起動ログを追い掛けて見ると、チップのビデオ出力モードがLCDとなっており、640を越えるウィンドウ設定が全てエラーとなっている。Xの設定に"CRTOnly"などのオプションを付けて見るのだが、チップ制御がうまく出来ないらしく解決しない。

 インターネットを漁ってみると、s3switchというツールソフトが見つかった。SavageIXのビデオ出力をLCDやCRTに強制設定できる。試しにチップの出力モードをCRT出力にした後、Xを起動すると狙いどおりに1024x768のサイズで表示してくれた。このツールをstartxのスクリプトの中から、Xの起動前に動かすことにして問題解決した。

 これに一週間ほどを費やしたが、こういう楽しみがあるから自作が止められない。


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