ハイテクの固まりマザーにもヒューズがあった!!

P/I-P55SP4(Rev 1.4)
    sp4 case

P/I P55SP4  P/I-P55SP4はSiSの5511チップセットを使ったASUSTekのマザーボードです。

 私がPCの自作を始めたのは95年12月のWindows95日本語版が発売されて間もない頃です。それまではその年の2月に購入したFMV-466D3(486DX2/66搭載)を使用していました。メーカー製マシンを使うだけでは面白くなく,巷ではやりのPCの自作でもして見ようか,HDDやキーボードはFMVのものが流用できるし,Pentium CPUで最速マシンを作ってみようかと思った次第です。

 さて,この頃はSocket7を使ったマザーは,どのメーカーも3万円前後の価格帯となっていました。チップセットは初代トリトン(430FX)が人気でしたが,自作初心者の私はチップセットに能力差があるなんてことは露知らず,値段が安いSiSのチップを使用したこのマザーボードを購入してしまいました。430FXを搭載したP/I-P55TP4Nとの価格差はわずか2千円程でした。

 後から色々な事を知りSiS5511チップセットがもう一つであるという事を知り,わずか2千円差でこのマザーボードを買ってしまった事を大いに悔やんだものです。ベンチマークをとると確かに遅いのですから始末に終えません。とはいうものの初めて購入したマザーボードということで(価格が高かったことも原因)手放すのも惜しく,今では3rdマシンとして動かしています。

 このマザーボードですが,実は動かして1月も立たない内にトラブルに見舞われました。

mouse  私のマウスはシリアルとPS/2のどちらでも使えるものです。マシンの前面から手を後に回し,手さぐり状態で,シリアルマウスとして使っていたマウスをcomポートから外し,電源が入ったままPS/2マウスアダプタとマウスを接続しようとした時です,パチッという音がしたかと思うとマシンはリセットされリブートしたのです。何が起こったのか分からず,取りあえず電源を切りマシンを起動したのですが,BIOSがキーボードのエラーメッセージを出力しそこから先に進みません。電源の入り切りを何度行っても症状は変わりません。キーボードのNumLockのLEDの灯き方が心持ちいつもより暗い感じがします。一体何が起こったのか分からず,とにかくその日は調査を諦め,冷静に考える事にしました。

 手持ち資料の中のキーボードコネクタの端子表を眺めてみますと+5V端子があります。ひょっとして+5Vが出ていないのではと,テスターであたってみると案の定出ていません。マザーボードをケースから外し,キーボードコネクタの+5V端子からテスターで順にパターンを追いかけました。すると,抵抗のような形をした所でパターンの導通が切れています。片側は+5Vのパターンに繋がっています。さては,これはヒューズかもとマザーボード基板のシルク印刷を良く見てみると,「FUSE」とやはり書かれています。そうと分かれば修理は簡単です。取りあえず細い電線でヒューズをバイパスしました。これで無事マシンは起動することができるようになりました。余っていたFMVのマザーボードにもFUSEがついていましたので,それを取り外しこちらのマザーボードに取り付けました。 fuse
キーボードコネクタ
の近くにFUSEがある

 PS/2マウスコネクタの端子はキーボードコネクタの端子と同じものが出力されています。どうやらマウスを接続する時に,+5VをGNDに落としてしまったようです。パチッという音のしたことも辻褄があいます。キーボードやマウスには,マザーボードの+5Vが直接出力されるため,保護対策としてヒューズが搭載されているのだと思われます。

 それにしても,ハイテクの固まりともいえるマザーボードにもヒューズ(一見すると抵抗のように見えて気が付かない)が取り付けてあるなんて,意外な発見をしました。ただし,簡単に取り替えが出来ないのが難点です。

 初めて作ったマシンであった事と,組み立ててまだ一月もたっていないという事で,自力で修復したわけですが,ヒューズが切れて動かなくなっているなんてなかなか気がつかず,この時点でマザーボードの買い換えに走ってしまう人もいるのではないでしょうか(ヒューズを飛ばすなんておまえだけだという声が聞こえてきそうです)。また,一月以内ということならショップに持ち込めば案外初期不良として交換してくれるかも知れませんね(そんなことないか)。一月で傷物のマザーボードにしてしまったので売るに売れず,今でも使っているというのが本音です。



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