六甲山ハイキング 有馬三山(落葉山、灰形山、湯槽谷山)〜番匠屋畑尾根〜油コブシ 2006.11.29

     有馬温泉から有馬三山を経て番匠屋畑尾根を通り六甲山に登った。帰りは六甲ケーブルの山上駅から油コブシを通って下山した。

     コースの詳細は、有馬三山(落葉山〜灰形山〜湯槽谷山)〜湯槽谷峠〜番匠屋畑尾根〜六甲全山従走路(極楽茶屋跡〜ガーデンテラス〜みよし観音〜神戸ゴルフ場)〜六甲ケーブル山上駅〜油コブシ〜六甲ケーブル下駅。

     ガイドブックによると有馬三山から番匠屋畑尾根を経て極楽茶屋跡までの所要時間は3時間半〜4時間とある。12時にはガーデンテラスで昼食にしたいと思い、神戸電鉄有馬駅を9時に出発した。

     有馬温泉駅前のローソンにておにぎりを購入し観光バス発着所に向かう。途中の酒屋で暖かいペットボトルのお茶も購入する。冷めぬようにタオルで包み込む。

     観光バス発着所は歩いてすぐの所。観光案内所の奥の妙見寺参道を登る。参道入り口に有馬三山の案内板がある。妙見寺への参道は良く整備されたコンクリート道や石の階段。道の傍には西国三十三箇所を模した石のお地蔵さんが祀られている。下から、一番、二番、...と辿って行くのも楽しい。

    観光バス発着所向かいの観光案内所奥から登る 妙見寺参道が有馬三山への登山道となる 有馬三山の標識がある

     お地蔵さんが二十数番になった頃、壊れた石の鳥居に出た。鳥居を過ぎて境内にあがる石段の手前の広場で、暫し温泉街の風景を眺める。もう一つの鳥居をくぐり抜けた所が妙見寺の境内、その先に進むとお堂がある。

    地震で壊れた石の鳥居
    この奥にも鳥居がある
    鳥居を過ぎた辺りからの有馬温泉の眺め
    もう一つの鳥居
    妙見寺お堂
    お堂から少し行った所にある落葉山の三角点

     お堂を右から裏手に回りハイキング道を進む。少し行くと道の右側に落葉山の三角点があった。ここを過ぎるとすぐに下りとなる。急な坂ではあるが九十九折れになっており歩くのは楽だ。

    妙見寺を出てすぐの箇所
    次に向かう灰形山が見える
    落葉山の九十九折れの下り坂 落葉山を下った所の道標
    有馬温泉に引き返せる

     落葉山からの九十九折れの坂道を下り灰形山との鞍部に着く。道標があり、ここから左に下ると有馬温泉に戻る。灰形山は真っ直ぐだ。

     少し行くと尾根上のガレ場の道が始まる。有馬の馬の背と呼ばれている所。左右への滑落に注意しながら進む。途中、木々の切れた所で、有馬の温泉街や有馬口方面の景色を眺める。天気も良く紅葉も良しで言うことない。

    ロープウェーの有馬温泉駅が見える 灰形山に向かうガレ場の道 阪神高速北神戸線
    有馬口インターチェンジ方向を望む

     馬の背を越えると木製の急登な階段道が始まる。灰形山頂上に駆け登って行く道だ。この道を登る途中で中高年のおっちゃん(かくいう、私も中高年のおっちゃん)が後ろに迫って来た。抜かれるのも癪と思い、頑張って進むと、おっちゃんの姿は見えなくなった。多分休憩しているのだろう。

     追い付かれてなるものかと一生懸命登ったが無理は出来ぬ。少し道の広い所で立ち止まり、アミノバイタルを啜っていると、先程のおっちゃんが登ってきて挨拶もそこそこに、さっさと追い抜いて行った。追いかけるのも面倒くさい。もう少し休んでから進むことにした。

     歩き出して、また始まった急登な階段道を登り切ったらそこが頂上だった。頂上には先程のおっちゃんが休憩しているかと思ったが誰も居なかった。あのおっちゃんも元気な人だと感心する。

     当方はここで暫し休憩。汗を拭き、おやつを食べ、アクエリアス(今日は水ではなくこれだ)で喉を潤す。下って来た落葉山頂上の妙見寺が小さく見える。

    灰形山に向かうガレ場の道
    山頂手前の急な登り階段
    灰形山頂上の標識
    灰形山頂上の広場
    落葉山の妙見寺を望む
    次に向かう湯槽谷山

     カメラのセルフタイマーで自分の記念撮影を済ませてから次の湯槽谷山に向けて歩き出す。ここからも一旦急な下り道を下り、また鞍部から一気に登り返すことになる。

     下り道を慎重かつ大胆に降りて行く。暫く歩いていると遠くから女性の声が聞こえてきた。その声が、段々と大きく騒がしくなってくる。

     少しして声の主が現れた。中高年のおばちゃん二人組み。挨拶をして道を空けてあげると「口から先に歩いてますねん、ハッハッハー。」と言いながら歩いて行き去った。元気で何よりです。

    案内板のある鞍部
    ここからも有馬に下れる
     この後暫くして鞍部に着く。そこにある案内板を見て見ると、湯槽谷山頂上までは、ここから約200m弱の高さを登り返すことになる。

     すぐに登り道の始まり。良く整備された木の階段道が始まる。結構これがつらい。何しろステップの高さが不揃いだし、所々高いステップがある。左右に曲がりくねった急な階段道を下から見上げて目標地点を定めて登って行くが、上に着いたと思ったら、また次の階段道が始まる。この繰り返しが、延々と続く。

     いつ終わるのかと思いながらも、回りの景色、雰囲気を観察する。そろそろ頂上付近かと思いながら階段を登り切ると、案の定、頂上らしき広場に出た。展望は開けていないが、ネットの記事では湯槽谷山頂上は展望無しとなっていたので、ここが頂上で間違いなかろう。やっとの思いで腰を降ろす。

     周囲をじっくり眺め回して見ると、頂上にある立て札も道標も何も無い。頂上にしてはおかしい。すぐに立ち上がり、広場を先に進む道の方向に立ち寄って、前方を眺めて見るとこんもりした頂上がまだ向こうに見える。どうやら、頂上に行くには、もう一〜二回、階段道を登らなければならないようだ。

    登り
    登り
    またまた登り
    頂上と間違えた場所

     進むのは諦めてここで休憩を取る。どうせ頂上から展望は望め無い。ならばここで休んでも良かろう。

     頂上と間違えた場所から、階段道を一踏ん張りして、わずか数分で湯槽谷山頂上に着いた。噂どおりの頂上。展望は良くない。立て札には湯槽山と書かれていた。写真だけ撮って先を急ぐ。

    頂上手前の最後の登り
    湯槽谷山頂上 確かに湯槽山だ

     湯槽谷峠を目指してひたすら下る。急な坂道を下ること10分程で峠に着いた。ここは4分岐のハイキング銀座通。左に行けば湯槽谷から紅葉谷に抜ける。右に行けば逢山峡、直進が極楽茶屋跡。番匠屋畑尾根は真っ直ぐに進む。

    下って
    下って
    峠に着いた

     時刻は11時。果たして後一時間で番匠屋畑尾根を通り抜けられるのだろうか?

     番匠屋畑尾根を歩き出してすぐに、またまた賑やかな女性の声が聞こえて来た。今度はおばちゃんの小グループ。5〜6人居ただろうか。「有馬までどのぐらい」と尋ねられたので「2時間程かかるよ」と応えると「有馬まで2時間、風呂に入って1時間、都合後3時間やね」と言う。温泉が楽しみの中高年ハイカー。こちらのおばちゃん達も元気だ。

     番匠屋畑尾根の道は小さなアップダウンの繰り返しも多いが歩き易い道。今までの三山の登り下りに比べたら楽なものだ。

     元気なおばちゃん達と行き違ってからは誰とも会わない。晩秋の六甲の山道を一人で気持ち良く進む。

     静かな山中に、かすかに「ウーン、ウーン」という機械音が聞こえて来た。歩くに連れて徐々に大きくなってくる。六甲有馬ロープウェーの動く音だ。番匠屋畑尾根はロープウェーのコースを一旦横切りその後暫く並行に走る。ロープウェーが行き去ったのか、音は間もなく聞こえなくなった。

     山中にどこからとも無く、怪しげな機械音が聞こえてくる状況は、SF映画やアクション映画に良く出てくる「敵の秘密基地を山中にようやく探し当ててそこにそっと近づいて行くシーン」を思い浮かべてしまう。

     こういうシーンでは、まず最初にどこからともなく音が聞こえて来る。敵の秘密工場か、何か得たいの知れぬ建物から発せられる音。それが聞こえると敵の基地に近づいた証拠。主人公達はお互いに顔を見合わせ「しーっ」と言って、注意深く進む。

     暫く行くと敵の秘密基地ならぬロープウェーの鉄塔が現れた。道は鉄塔の下を進む。

     ロープウェーのロープがちょうど水平方向に見える辺りに来た時、またあの音が聞こえ出した。ロープが間近に見える方向をじっと眺めていると、ロープウェーの箱が右から左へスーと動いて行くのが見えた。まるで何かの映画のワンシーンを見ているようだ。ロープウェーが行き去るとまた静寂が戻る。この後もう一度ロープウェーが右手上空を通るのを見た。

    どこの三角点? 鉄塔だ! まだこんな所!

    小川谷との出合
    ちょっとした広場だ
     快調に歩くこと小一時間程で最後の急登に至る。登り切った所が小川谷からの出合い。そこを少し行くと紅葉谷道との出合いに出る。極楽茶屋跡はもう目と鼻の先。

     時刻は11時47分。有馬駅からおよそ3時間弱で極楽茶屋跡に着いた。ガーデンテラスへの道を急ぐ。

     ガーデンテラスの展望広場にて昼食を取る。天気は良いが風が冷たく寒い。ありがたいことに酒屋で購入したお茶がまだ冷えずにほんのりと暖かい。30分程の昼食休憩で、六甲ケーブル山上駅を目指して歩き出す。

     ガーデンテラスからみよし観音に通じる階段の下り道の途中に石切道への分岐がある。そこの案内板を読んで見る。石切道は、御影石を切り出して搬出した道とある。なんとなくここを下山するのも面白そうだ。地図を開げて所要時間などを確認する。結構時間がかかりそうだ。油コブシを降りるのがやはり一番早そうだ。石切道踏破は又の機会にする。

    ガーデンテラスからの眺め 石切道の案内板 石切道への下山口

     六甲全山縦走路に従い、みよし観音から神戸ゴルフクラブへと入って行く。ゴルフクラブの駐車場から左折してケーブル駅への道を行く。油コブシへの下山口を一旦通り過ごしてケーブル山上駅に向かう。

     ケーブル山上駅にて、暖かい缶コーヒーで暖をとり、冷えた体をストレッチでしごいた後、横の天覧台に登り景色を眺めた後、油コブシへの下山口へと来た道を戻る。

    六甲ケーブル山上駅 ケーブル駅横の天覧台 油コブシへの下山口

     油コブシへの下山路は、歩き出し始めの階段道を過ぎると、平坦な歩き易い道となったが、この頃から持病の右足首が痛み出し、歩くのが辛くなリ出した。ストックを使って少しでも足への負担を軽くする。

     午前中の有馬三山での強烈なアップダウンが影響したのか、左足を曲げた時に左膝のあたりが急に痛みだした。この後、左足を曲げると必ず痛む。階段道では、左足を曲げなくてもよいよう両足を一旦揃えた状態にした後、左足から先に降ろして下ることにした。

     寒天山道への分岐を過ぎて、先に進むと、「きつい道・ゆるい道」の分岐に出た。ここは当然「ゆるい道」を選択する。足が痛くなければ「きつい道」に挑戦するのだが、今日は駄目だ。

    平坦な道が暫く続く 寒天山道への分岐 きつい道、ゆるい道の分岐

     「ゆるい道」を暫く歩いて行くと大きな岩場に出た。油コブシにもこんな岩場がある。長峰山の頂上の岩の上に登った事を思い出し、この大きな岩の上にも登ってみた。右手方向に、遠くは須磨の山々、近くには摩耶山、長峰山が見える。

     油コブシの展望広場は、この岩場から歩いてすぐの所にあった。展望広場手前で「きつい道」の下り道と合流した。

    大きな岩があった 岩の上からの眺め 油コブシの展望広場

     展望広場を過ぎてからはひたすら下るのみ。足の痛みが取れない。階段道に出くわすと一気に下る速度が落ちる。痛みに耐えながらも辺りに目をやると紅葉が美しい。

     なんとか油コブシの登り口まで降りてこられた。ここからは老人ホームが建ち並ぶ中、アスファルトの坂道を下る。これがまたつらい。我慢して歩くこと数分で六甲ケーブル下駅についた。

     駅のベンチで暫く休む。身支度を整えて市バス16系統に乗車、JR六甲道駅にて下車し、帰路についた。

    紅葉に包まれた道 老人ホーム奥の登り口 六甲ケーブル下駅

     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。
     油コブシの下山は足の不調によりちょっと時間がかかってしまったが、有馬三山を3時間以内で歩けたことが嬉しい。。

    神戸電鉄有馬温泉駅 9時5分発
     〜(25分)〜落葉山 9時30分通過
     〜(26分)〜灰形山 9時56分着、10時9分発(13分休)
     〜(24分)〜湯槽谷山頂上手前広場 10時33分着、10時40分発(7分休)
     〜( 6分)〜湯槽谷山頂上 10時46分着、10時49分発(3分休)
     〜( 9分)〜湯槽谷峠 10時58分通過
     〜(15分)〜ロープウェー鉄塔下 11時13分通過
     〜(34分)〜極楽茶屋跡 11時47分通過
     〜(17分)〜ガーデンテラス 12時4分着、12時34分発(30分休)
     〜( 9分)〜石切道下山口 12時43分着、12時47分発(4分思案)
     〜(26分)〜六甲ケーブル山上駅 13時13分着、13時25分発(油コブシへ)
     〜(18分)〜寒天山道分岐 13時43分通過
     〜( 7分)〜下山途中の岩場 13時50分着、13時55分発(5分休)
     〜( 3分)〜油コブシ展望広場 13時58分通過
     〜(48分)〜六甲ケーブル下駅 14時46分着

     歩いた距離:11km