六甲山ハイキング 杣谷道〜徳川道〜シェール道〜まむし谷〜石楠花山〜天狗岩〜双子山 2007.1.28

     まだ歩いていない杣谷道(カスケードバレー)を歩いて見ることにした。杣谷峠からは、徳川道を東に向かい、シェール道の出合まで歩く。そこからシェール道をまむし谷出合まで戻り、まむし谷を経て、石楠花山、双子山へと向かうことにする。

     石楠花山では、前回行けなかった山頂ならびに天狗岩を訪ね、双子山では、噂の激下りを経験して見たい。

     新神戸から神戸市バス2系統に乗り五毛バス停にて下車する。ここから長峰堰堤を目指して歩く。長峰堰堤、杣谷堰堤を越え、堆積した土砂や岩で出来た河原に下る。山寺尾根への分岐をやり過ごして、真っ直ぐに進む。

     杣谷道への取り付きは、焚き火の跡が残る河原の右手奥にある。取り付きの手前の空き地で、足腰のストレッチを行い、いつもの如く、これからの発汗に備えてウインドブレーカーを脱ぐ。

    五毛バス停、ここから出発
    長峰橋と長峰堰堤
    杣谷堰堤


    堰堤を越えて行く
    山寺尾根への分岐
    杣谷道へは真っ直ぐ進む
    杣谷道取り付き

     2段式の大きな堰堤を、左に右にと巻いて上がったり、いくつもの小滝を眺めたり、沢の流れのせせらぎを聞きながら、谷沿いの道を進んで行く。カスケードバレイーの雰囲気を十分に味わう。沢に下り、進んで行くと、数メートル程の高さの滝にぶつかった。道は、この滝の左の岩道を巻いて上がる。

    小滝
    長峰方向を振り返る.山の斜面の白く
    写っている個所は長峰墓地
    多段に連なる小滝


    堰堤を巻き上げるガレ道
    鉄梯子を登って行く


    沢に下りて行く
    滝に向かって進む
    数メートルの滝


    滝の左を巻き上げる
    滝の上部
    滝の上部から滝を見下ろす

     滝を巻き上げると、先に石の階段道が現れ出した。階段の登った先にある道案内板を見る。現在地点で、ほぼ半分登って来たようだ。前方を見上げて見る。峠付近は昨日の雪で真っ白だ。

    最初に現れた石の階段道
    杣谷道もここで半分
    杣谷峠は昨夜の雪が残る

     この後、階段道や地道が交互に現れる。登るにつれ、頭上の木々からパラパラと融けた雪片が落ちてくる。道にも残雪が見え出す。

    沢を横断する
    右手は石積み
    河原を右から左へ渡渉する
    前を行く二人連れハイカー
    河原の真ん中で振り返る
    後から来る二人連れハイカー


    綺麗に整備されたコンクリート階段
    昨夜の残雪
    昨夜の残雪


    残雪が増えてくる
    木々の残雪が綺麗
    石の階段道もそろそろ終わる

     徳川道なごりの石積みの谷を抜けると雪の残る杣谷峠に着く。真っ直ぐに進み、摩耶ドライブウェーを横切り、真向かいの穂高湖への道を下る。

    石積みの谷を抜けると
    杣谷峠はすぐそこ
    杣谷峠に着いた


    摩耶ドライブウェー出合
    正面から穂高湖へ
    穂高湖へ下る

     薄く雪化粧した穂高湖も、また綺麗だ。しばし景色を眺める。周遊道路を西奥に進み徳川道出合いに出る。出合いを右折すれば、穂高湖堰堤、シェール道へと続く。この道は、まだ歩いていない。シェール道出合いまで行って見ることにする。

     道には白く雪が積もる。新雪を一番に踏んで行く。一番乗りは気持ちがいい。穂高湖堰堤手前の橋を渡る。左に進むとシェール道へと続く。右に進み堰堤を左に高巻くと、周遊道路で元に戻ってしまう。ここは、来た道を引き返し、徳川道出合いに戻る。

    雪残る穂高湖
    雪道を徳川道出合を目指して進む


    徳川道出合
    直進は穂高湖堰堤へ、左折すると徳川道
    穂高湖堰堤へ向かう道
    穂高湖堰堤
    橋を渡り左折するとシェール道


    踏み跡一番のりだ
    徳川道下山口
    徳川道を下る

     徳川道を下って行く。下ってすぐの分岐点では、中央の道を真っ直ぐに進む。ここを暫く行くと道は階段道となり、どんどん下って行く。

     途中、新穂高への登り口が見つかるかと思って、右側をよく見ながら下って行ったが、判らないまま、シェール道への分岐に着いた。ここからシェール道をまむし谷出合いまで戻る。

    徳川道は中央を真っ直ぐに行く
    残雪の徳川道


    シェール道との出合
    出合を行き過ぎてから見た所
    シェール道を戻る

     20分程で、まむし谷出合いに着いた。ここからまむし谷に入る。丸太の階段道を登る。登り出してすぐに大きな堰堤を一つ越える。この後、道は緩やかに登って行く。2つ目の堰堤が先に見え出した頃、前から下ってくるMTBのバイカー4人と出会う。良く見ていると、堰堤越えの階段道などは、MTBを担いで越えて行く。ご苦労様なことと思う。

     2つ目の堰堤を越えて、前方の登り道を登る。車の走る音が左方向から聞こえて来るとドライブウェーも近い。獺池ももうすぐかなと思いながら、道を登り切ると、獺池だった。ここを左に少し進みドライブウェーに出る。

    まむし谷との出合
    まむし谷を登り出す
    最初の堰堤を越える


    2つ目の堰堤を越える
    2つ目の堰堤を振り返って見る
    かわうそ池への最後の登り道


    かわうそ池に着いた
    西六甲ドライブウェーに出る
    ここを右に進む
    西六甲ドライブウェーを進む

     ドライブウェーの道を車に注意しながら、六甲山牧場の方向へ歩く。ドライブウェーの出合いから300m程先に、石楠花山へ向かう林道の入り口があった。入り口付近は、大きな空き地で、車が何台も駐車できそうだ。空き地の奥の林道へと進んで行く。

     林道を少し行くと、炭ケ谷・双子山方向への取り付きがある。まずは、石楠花山、天狗岩に向かうため、ここは一旦やり過ごしてそのまま進む。

    石楠花山への出合が見える
    石楠花山出合に進む
    広い林道を進んでいく
    炭ケ谷への出合
    ここはやり過ごし林道を進んで行く

     石楠花山頂への道はどこにあるのか、林道の右手をよく観察しながら歩く。林道右手の山壁が途切れた頃、ちょうど展望広場の130m程手前の所で赤テープを発見した。赤テープの手前の笹薮を見てみると、はっきりとした踏み跡がある。案内札などは無いが、これに間違いなかろう。笹薮の中を進んで行く。道はすぐに右にカーブし登りとなる。わずか数分で山頂に着く。

     山頂からは、周囲の眺望は無い。山頂から向こうに、烏帽子岩に向かう道が続く。前回知った道に辿り着くはず。天狗岩からの帰りに、ここを通って双子山に行くことにする。

    石楠花山頂への道
    展望台の手前130mほどの所、
    右の木の赤テープが目印
    石楠花山頂への道
    赤テープの手前を入る
    石楠花山頂への道
    明確な踏み跡を進む

     次の目的、天狗岩を探すことにする。地図では、山頂から南に数十mくだり、尾根上を西に進めば良いのだが、山頂から南に下る道は無い。来た道をゆっくり戻りつつ、途中、南に下る踏み跡でもないかと探して見たが、何も発見できないまま、林道に戻ってしまった。

     仕方無く、林道を展望広場に向けて歩く。この辺りに踏み跡でもないかなと右手の笹原を見ながら歩く。30m程進むと右手に小さな空き地があった。車が2台程駐車できる空き地だ。ふと何気なしに見てみると、奥の木の幹に赤テープを見つけた。直感で、これだ!と思い、テープの辺りを調べる。

     先は、背丈ほどもある竹藪になっている。足下をよく見ると、わずかに薄い踏み跡がある。間違いなかろう、踏み跡を頼りに竹藪を掻き分けて進む。

     竹藪道もわずかで、すぐに木立の中の尾根道となった。小さな尾根なので、この先迷う事もないが、随所に付けられたテープ、踏み跡が、天狗岩への道に間違い無いと確信させてくれる。

    天狗岩への道
    展望台の手前100mほどの所、
    右手に開けた空き地が目印
    空き地に進む
    空き地の正面にテープがある


    赤テープの付いた木の右を行く
    背丈ほどの竹藪を掻き分けて進む、
    踏み跡とテープを辿る

     天狗岩に辿り付ける嬉しさで、どんどん進んで行くと、左手前方に岩があった。ここだ、と思い近づいて見る。想像していたよりも小さい。道もまだこの先に延びている。半信半疑ながらも、この岩が天狗岩だろうと信じ、岩の上に登って見る。岩の周りの木々が邪魔して登り難い。リュックの背につけたストックが枝に引っ掛かる。苦労してよじ登る。岩の上からの眺めは言うことなし。西の方向がずっと先まで見渡せる。岩の下は、ちょっとした崖、危険だ。気をつけたい。

    天狗岩手前にある小さな岩
    天狗岩はまだこの先を下ってから登り返す
    近づいて見る
    岩の下
    写真では判りづらいが崖になっている


    手前の岩の上からの眺め

     岩の上から、邪魔する木々の間をすり抜け、苦労して降りる。眺めに十分満足し、引き返そうとしたが、何か心に引っ掛かる。どうもこの天狗岩、小さ過ぎる。先日、山田道を歩いていた時に眺めた天狗岩辺りの眺めと一致しない。このまま引き返すのも心残り。道はまだ奥に続いている。さらに道を進んで見ることにした。

     道は一旦少し下り、すぐに登り返す。左手前方に大きな岩壁が見えた。そうだ、これだ、先程の岩は天狗岩なんかではない、天狗岩はこちらだ、と確信する。道を、そのまま進むと岩の上に出た。大きな岩場だ。長峰山の天狗塚に十分に匹敵する大きさだ。岩の突端は、断崖絶壁に突き出ている。おそるおそる、突端に近づいて見る。ここの眺めは正に極上。右手先にも岩が突き出ていたが、そちらは雪も残っており危険なので、岩の先にまでは近寄らないでおくことにした。

    天狗岩に近づく
    天狗岩の上から


    右手の先にある別の岩
    右手の岩に近づいて見る
    天狗岩を右手方向から見る

     あまりの景色の良さに、この場所を離れがたく、ここで昼食休憩をとることにする。遥かな先まで望める景色に見とれつつ、おにぎりを食べる。持参のホットコーヒーが疲れた体にうまい。

    天狗岩の上からの眺め


    天狗岩の上から
    筑紫ケ丘・北鈴蘭台・松ヶ枝・日の峰
    天狗岩の上から
    日の峰のクローズアップ

     来た道を引き返す。次の目的は双子山だ。林道を戻って行くよりも、石楠花山の山頂から続く道を歩いて見る方が面白い。再度山頂への道を行く。山頂からまっすぐ道を進む。道は、ほとんど笹藪道、笹が昨夜の雪で濡れており、パンツの裾がずぶ濡れになる。

     テープマークや踏み跡のおかげで迷う事なく烏帽子岩への分岐に着く。烏帽子岩へは進まず、右に折れて炭ケ谷・双子山への出合へと進む。

     今回判った林道からの山頂への道、天狗岩への道を、地図に簡単に書き加えて見たので紹介しておく。

    石楠花山頂
    真っ直ぐに行くと烏帽子岩・炭ケ谷に続く
    山頂から炭ケ谷への笹道
    烏帽子岩への分岐
    炭ケ谷は右へ、烏帽子岩は左へ


    炭ケ谷・双子山への分岐
    炭ケ谷方向への下り道
    双子山方向への道

     出合にある道標には、双子山は熟練者向きとあるが、今はそうではない。TV放送設備の保守管理道路が整備されており、誰でも行けるらしい。ただし、北斜面を下る花山方向への下山路は、相変わらず未整備の激下りらしい。

     双子山方向へ道を進む。歩き始めから綺麗な道だ。道の途中には、TV電波の受信用アンテナ施設があった。受信した電波は道の中に埋められた同軸ケーブルで頂上にあるサテライトまで送られている。SUNテレビの施設のあるあたりからは、三ツ谷への案内札が付けられていた。

    左にカーブする所
    左にカーブする所を右に行くと
    中継アンテナがある


    三ツ谷への下り道がある
    三ツ谷への下り道がある所の
    左手にあるSUNテレビ中継所

     道はピークの右側を進んで行く。鞍部に出たので、双子山の二つある頂上の一つ目の頂上を過ぎてしまったかと思い、道の左手側の尾根を振り返って見る。道はないが、木々を頼りに登って行くことは出来そうだ。登って見ることにした。

    この先から左手の尾根道を登りピークへ
    ピークへの尾根道(登り)
    ピークへの尾根道(下り)

     ピークらしき場所に着いたが、そこに何か頂上らしき目印も何もない。どうやら勘違いしていそうだ。双子山のピーク手前の小ピークに登ってしまったようだ。さっさと引き返す。

    途中にあるピーク
    (頂上と間違えて登った)

     元の道に戻り、先に進むと、NHKが設置した道案内板があった。案内板に書いてある頂上というのは、もう一つ向こうのピーク、サテライトのある所のこと。616mの双子山頂上は、この先の、鞍部に下り始める所を左に登って行った所にあった。

    NHKが設置した道案内
    この先を左に登ると双子山頂上
    頂上に向かう登り道

     双子山頂上も何もない所、樹林に阻まれ眺めも無い。頂上を示す札が無ければどこか判らぬようなところだ。頂上を越えて、北側に道は続いていたが、ここは引き返し、2つの山の鞍部へと下って行く。鞍部への下り道は、ロープのある急な下り道だが、距離は短い。すぐに鞍部に着く。

    双子山頂上の小広場
    双子山頂上を示す札
    下り道


    二つの山の鞍部
    鞍部から頂上を振り返る
    サテライトのある山への登り

     鞍部を過ぎると、すぐに急登となる。道を登り切ると頂上広場に出る。そこには、TV放送のサテライト局があった。

    サテライトのあるもう一つの頂上
    NHKサテライト
    もう一つあるサテライト

     頂上広場の北側からは、谷上方向の景色が望めたが、他の方向への眺めは良くない。NHKの放送施設の金網フェンスの北東の隅から道は下る。

     ここまでの道と打って変わり、下り道は、道なき道の様相を呈する。落葉に埋もれた急転直下の道。落葉ごと足がズルズルと滑ってしまう。道の両側の木々をつかまりながら下るが、少し下ると、木々の間隔が数メートルと広くなり、つかまるものが無くなる。

     ロープのような気の利いたものも取り付けられていない。うっかりすると滑り落ちてしまいそうだ。幸い、岩は少なく、落葉の堆積が豊富で、万が一の場合でも大怪我をすることは無さそうだが、やはり危険だ。ストックを取り出し、ストッパーとして使用する。このお陰で少しは安全に下れそうだ。

    頂上から下界を望む
    頂上からの下り
    樹林を透かして大池方面が見える

     随所にテープがあり、迷うこと無く下って行ったが、中腹辺りまできた頃、踏み跡もテープも見当たらぬようになった。季節柄、樹林の木々は全て落葉している。日差しが十分に届き、あたり一面、明るく良く見渡せる。見当をつけて進んで行ったらテープがあった。

     道が、激下りから平坦な道となり、阪神高速の車の音が聴こえ出すと、終りは近い。この双子山、北斜面の登り(下り)は、急斜面で、ちょっとつらいものがあるが、頂上付近の南側の道は、良く整備されており、何の苦も無く歩くことが出来る。その意味、ちょっと面白味にかけるかも知れない。

    下り道を振り返り仰ぎ見る
    激下りの道
    落葉で足が滑る
    阪神高速が見え出すと終りが近い

     道の突き当たりを左に折れて、少し進むと阪神高速の側道に出た。双子山の登山口だ。斜め向かいにある阪神高速を跨ぐ歩道橋を渡り、向かいの花山団地へと下る。団地の中を神戸電鉄花山駅へと歩く。

    阪神高速の側道に出る
    側道から見た登山口
    下って来た双子山を望む

     神戸電鉄花山駅に着いたら、運良く直ぐに電車が来た。今日は、色々と面白いことばかりの有意義な山行きとなった。


     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    五毛バス停 8時35分出発
     〜(12分)〜長峰堰堤 8時47分通過
     〜( 3分)〜杣谷堰堤 8時50分通過
     〜( 3分)〜杣谷道取付き 8時53分着、8時59分発(6分準備)
     〜(76分)〜杣谷峠 10時15分通過
     〜( 4分)〜穂高湖 10時19分通過
     〜(10分)〜穂高湖堰堤 10時29分通過
     〜( 7分)〜徳川道取付き 10時36分通過
     〜(19分)〜シェール道出合 10時55分通過
     〜(18分)〜まむし谷出合 11時13分通過
     〜(13分)〜かわうそ池 11時26分通過
     〜( 1分)〜西六甲ドライブウェー出合 11時27分通過
     〜( 4分)〜石楠花山林道出合 11時31分通過
     〜(13分)〜石楠花山頂上 11時44分通過
     〜(11分)〜小天狗岩 11時55分着、12時4分発(9分休)
     〜( 2分)〜天狗岩 12時6分着、12時26分発(20分休)
     〜( 9分)〜石楠花山頂上 12時35分再通過
     〜(10分)〜炭ケ谷・双子山出合 12時45分着、12時48分発(3分休)
     〜(18分)〜小ピーク(頂上と間違う) 13時6分通過
     〜( 9分)〜双子山頂上 13時15分通過
     〜(10分)〜双子山サテライト頂上 13時25分着、13時33分発(8分休)
     〜(24分)〜双子山登山口 13時57分通過
     〜(24分)〜神戸電鉄花山駅 14時21分着

     万歩計による歩数:23,000歩
     歩いた距離:13.1km