丹生山系 万丈谷〜長坂山〜万丈谷 2007.2.17

     今日の天気予報は午後から雨。朝から空は曇天模様だが、まだ雨粒が落ちてくる気配はない。午前中の3時間余りで行って帰ってこれるコースとして長坂山への山歩きを考えて見た。

    本日歩いたコース
    神戸北町郵便局を出発し元に戻る
     私の住む日の峰住宅地の南西方向、直線距離にして2km程の所に長坂山がある。この山へは、藍那地区から登るのが一般的なようであるが、万丈谷からも登ることが出来る。

     万丈谷とは、日の峰住宅地の西側に位置する西脇山と長坂山から北側に延びる山稜に挟まれた区域のことである。谷の中央には、万丈谷川が流れ、緩やかな傾斜地にいくつもの棚田が作られた山間の田園地帯である。

     万丈谷の下流域、西脇山の西側一帯は、住宅地の開発が計画されており、平成14年に神戸市都市計画の地区計画に「原野地区」として指定されている。

     実際の所、平成15年の始め、来年(平成16年)秋から開発に着手しますとの工事説明を、担当する土木会社から数回受けたことがあるが、バブルの終焉の影響なのか、開発はされずにそのままとなっている。

     しかしながら、市の都市計画に今でも指定されている以上、いずれは開発が実施され、今あるのどかな田園風景は消滅してしまうことだろう。なんとか、今の姿を記憶に留めておきたいと思い、万丈谷を散策しながら長坂山に登ることにした。

     長坂山は標高397mの低山、日の峰住宅地の標高は210m、2kmでわずか200mを登るだけ。午前中に十分に往復できるはず。長坂山からの下りは、泉台7丁目に出て見ようと思う。

     自宅を9時過ぎに出発。神戸北町郵便局の裏手から林道に入り、少し北に向かい、山の中腹を巻く道の取り付きに進む。取り付き道を一旦登った後、道なりにどんどん下って行く。樹林の中の道から笹薮道に変わり、ほどなくして、山田の里へと下って行く林道に出る。

    日の峰住宅地
    遠方の山は花折山と東の峰(城山)
    西脇山の山腹への道
    西脇山からの下り道
    これから向かう長坂山

     林道を北に、谷を少し下る。道を進んで行くと、左手方向からコンクリートで整備された小さな万丈谷川が寄って来る。川に架かるイオノ坪橋を渡り、川の左を少し行くと、しもつい橋に出る。

    万丈谷下流方向の眺め
    遠方の山は丹生山・帝釈山
    万丈谷川に架かるイオノ坪橋
    名前を刻んだ石碑

     しもつい橋を渡ると道は北に山田の里へと続く。長坂山へは、橋を渡らずそのまま進む。道は、ここで南へと方向転換する。本日のコースの最も北側を、ここで折り返す。

    万丈谷川に架かるしもつい橋
    渡らずに真っ直ぐに進む
    名前を刻んだ石碑
    橋に掛かる道標
    指示の反対側に進む

     林道を道なりに進む。長坂山道の案内札があった。道に間違いは無い。進行方向の南の先には、阪神高速北神戸線の高架が見える。左手東方向には、今下ってきた西脇山の山容が望める。

    しもつい橋を過ぎた辺りから南の方向
    万丈谷上流方向
    南に向かう長坂山道
    長坂山道を示す道標

     暫く行くと、最初の分岐に至る。ここは道なりに右手方向に登って行く。道はここから谷の田園地帯を離れ山の中へと進んで行く。

    左手(東)西脇山方向を見る
    分かれ道
    ここは右に進む
    分かれ道を右に少し進んだ所

     少し傾斜のある登り道を登りつめると、小さな溜池の前の分岐に出た。溜池に今は水がない。ここから先の分岐は、全て左を選択して進むことになる。ここから道は緩やかに登って行く平坦な道となる。

    次の分岐
    ここから先の分岐は、全て左を選択する
    分岐にあった道標
    この辺りはずっと林道を歩く
    所々に道標が吊り下げてある

     この辺りは里山で人家も近く、林道が整備され車の乗り入れも容易なためだろうか、テレビなどの大型ゴミが目立つ。送電鉄塔が見えるあたりにまで来た。鉄塔の左を巻くように道を進むと蛇池の分岐に至る。

    里山だけに大型ゴミが目立つ
    長坂山への道標
    鉄塔を左に巻いて進む

     雨が心配だが、空はまだ大丈夫そうだ。蛇池に少し立ち寄って見ることにする。この辺り一帯には、農業用水のための大小の溜池がたくさんあるが、その中でも蛇池は特別に大きな池だ。湖と呼んでも不思議でも無い大きさだ。

     蛇池の周囲を少し回り写真を撮って、次を急ぐ。

    蛇池への分岐
    右に進み池に立ち寄る
    蛇池は大きな溜め池だ
    蛇池から次に進む

     手元の地図では、ここからは林道を真っ直ぐに進むだけ。平坦に近い林道だけに足取りも軽く歩いて行ける。少し行くと林道が終わり、地道へと続く。ここから右手方向に延びる道を進むと山田の里に下る。ここは、この先の地道を進む。

     地道は、すぐに樹林の中の山道となり、いつもの登山道らしい道の出現に嬉しくなる。

    ここからは分岐もなく真っ直ぐに進む
    林道はここで終わる
    先の地道へと進む
    地道に進んだ所の道標

     随所に現れる道標を確認しながら山道を進む。ほどなくして、左に緩くカーブして行く坂道を登り切ると、急に視界が開けた。坂道を登り切った所から道は右折し、山の左斜面をへばりつくように進んで行く。左手側に樹木は無く、眼下に広がる谷の様子がよく見てとれる。

    山道を進む
    要所要所にある道標
    「長坂道」の案内を辿る


    藍那小学校の案内
    頂上は近い?
    この坂道を登り切ると
    急に視界が広がった


    眼下に広がる住宅地

     斜面の道を山腹を巻くように登って行く。道は送電鉄塔の左手下を通過する。少し先の道を登り切った所に右側に延びる送電鉄塔への巡視路があった。

    さらに登った所から
    しつこく風景を撮る
    送電鉄塔の左手下を通る

     鉄塔の下には景色の良い広場でもあるかと期待して鉄塔に寄り道をして見る。鉄塔下部は雑草が刈り取られ休憩場所としては十分に使えそうではあったが、眺望はもう一つであった。昇塔すれば眺めは良いのだろうがそれは危険だ。

    送電鉄塔巡視路が右に延びる
    鉄塔に寄り道する
    送電鉄塔の下の広場
    鉄塔広場から見る住宅地

     巡視路から元の道に戻る。道は、そこから右に一旦緩やかに下り、その後左に登って行く。頂上は近い。長坂山道は、地図では頂上を避けて通る。道のどこかに頂上への登り道があるはずだ。

     頂上への登り道がいつ現れるかと気にしつつ登って行くと、左手、森の中に何本も建つ白い不気味な柱を見つけた。何かの墓だろうか、近づいて見ると山田小学校の卒業記念碑であった。まさか登山ぐらいで碑を建てることも無かろう。卒業記念に植樹でもしたのだろう。

    道路脇に何本も建つ不気味な白い柱
    卒塔婆かと思ったら
    山田小学校の卒業記念碑
    記念植樹でもしたのかな?
    道を登り詰めると頂上への分岐

     そこから少し先、道を登りつめたところに道標があり、ここから右に道が延びている。長坂山頂上への道だ。右手の道を見てみると頂上へと登って行く階段道が見える。

     早速、この道を登って行く。道を登り切ると、頂上らしくもない空間に出た。頂上を示す札でもないかと見回して見ると、ちゃんとあった。間違いなく頂上だ。道は、まだこの先に延びている。多分、送電鉄塔に続くのだろう。

    右手の頂上に向かう道
    奥に急な階段が見える
    長坂山を示す道標
    頂上へと進む
    長坂山頂上


    頂上の標識
    もう一つあった標識
    頂上から鉄塔に向かう道

     ここの頂上も、樹林に阻まれ眺望は無い。送電鉄塔の方に進んで見る。鉄塔への下り途中に、西神・三木方面を望めるポイントがあった。ここの鉄塔広場も、先の鉄塔広場と同様、眺望はもう一つであった。

    西神・三木方面が見える
    鉄塔への道の途中にて
    送電鉄塔の下の広場
    鉄塔広場から見る住宅地

     頂上に戻り、腰を降ろし休憩を取る。天気が良ければ、藍那に下り、そこから藍那古道(義経道)を歩いて戻るのだが、空はもう今にも泣き出しそうだ。下山を急ぐ。

     登って来た階段道を鞍部まで戻り、長坂道を藍那方向へと下って行く。下ってすぐに、辻に出た。辻には道標があった。公設の道標の下には、私製の「ココハ長坂峠」と書いた道標があった。更に、樹木には、神戸北町(日の峰住宅地)や泉台方向を示す道標が吊り下げられていた。

    長坂山頂上を出発
    長坂道に戻って来た
    4辻の長坂峠
    泉台へはここを左折する

     ここを左折して進めば泉台に出る。さぁ行こうと思った時、パラパラと雨が降ってきた。大急ぎで、辻を右に入り、木陰で雨宿りをする。

    峠の道標
    右に入った道の方から見た辻
    雨宿りで一旦右に入る
    神戸北町・泉台を示す道標
    割れてしまっている

     雨はすぐに止んだ。本降りが来る前に戻らねばと、泉台への道を急ぐ。山間の笹薮の道を進んで行くと、暫くして山田の里へと下る分岐に出くわしたがここはそのまま真っ直ぐ泉台へと向かう。前方に山上の泉台住宅が見え出す。

    泉台7丁目に向かう笹薮道
    正面の山上の住宅地が泉台だ

     小ピークを左に巻いて進み、その先で左にカーブし、泉台住宅の山の斜面に取り付いた辺りで、右に下る道と真っ直ぐに登って行く道の分岐に出くわした。

     真っ直ぐの道を選んで坂を登りはじめる。この坂道、急登でロープ場となっていた。ロープを頼りに登ること数十mほどで、ピークの上に飛び出した。飛び出た所は泉台住宅のはずれの小高い山の上、目の前に鈴蘭台方面の景色が広がる。

    急坂を登るとこんな所に飛び出てきた
    泉台7丁目からの眺め

     泉台住宅地へと下り、住宅の道を北鈴蘭台方向へと歩いて行く。この頃から、小雨がパラついてきた。ウィンドブレーカ兼用のレインコートを着ているので、この程度の雨では傘は不要。帽子もゴアテックスなので問題ない。小雨に濡れるままに歩いて行く。

    泉台住宅地へ下る
    道路から見た取り付き
    山上の泉台住宅地から万丈谷を望む
    遠方は、帝釈山・稚子ケ墓山

     泉台住宅は、東西に延びる大きな住宅地だ。北鈴蘭台に向けて東に歩いて行くがなかなか住宅地を抜けられない。歩いてもいても全く面白く無い。

     こんな事なら泉台住宅に飛び出た所から戻った方が良かったかも知れない、などど思いながら、およそ30分程かかって北鈴蘭台辺りにまで来た。ここからは、市道神戸長田箕谷線を下って行けば早いのだが、それでは面白く無い、大原住宅地に入り、万丈谷上流部に出て、谷を下って見ることにする。

     大原中学、大原住宅、大原山公園と進む。この辺りで、雨はみぞれに変わるが、まだ傘は不要だ。万丈谷上流部に下って行く。

    大原中学辺りから見る長坂山
    大原山公園から見る長坂山
    万丈谷川の上流部

     谷の上流部に着いた頃から、みぞれ混じりの雨から本降りの様相を呈して来た。折りたたみ傘をさす。谷に架かる阪神高速北神戸線の高架下で雨宿りしながら休憩を取る。

    谷に架かる阪神高速北神戸線
    高速道高架下から谷の向こう側を見る

     高速道路の高架を抜け、林道を下って行く。万丈橋を渡り北に進む。北に進む林道が途切れた辺りから、道は、西脇山南側へと進んで行く。道なりに登り、山間の田園地帯を抜けると、神戸北町郵便局の裏手に着いた。

    高速道路の高架下を抜けて行く
    高速道路を振り返る
    右手上の方から下って来た


    万丈谷川に架かる万丈橋
    名前を刻んだ石碑
    万丈谷の下流方向を望む


    日の峰住宅地に戻って来た

     自宅近辺の山歩きではあったが、12kmあまりと結構な距離を歩いた。交通機関を使わずに自宅から往復できるちょっとした山歩きには最適なコースだ。また天気の良い日に出掛けてみたいと思う。

     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    自宅 9時17分出発
     〜( 6分)〜西脇山取り付き 9時23分通過
     〜(16分)〜しもついはし 9時39分通過
     〜(25分)〜蛇池 10時4分通過
     〜(32分)〜長坂山頂上 10時36分着、10時49分発(13分休)
     〜( 3分)〜長坂峠 10時52分通過
     〜(20分)〜泉台7丁目 11時12分通過
     〜(33分)〜大原中学 11時45分通過
     〜(10分)〜大原山公園 11時55分通過
     〜(10分)〜万丈谷川上流 12時5分通過
     〜(12分)〜阪神高速高架下 12時17分着、12時23分発(6分休)
     〜( 2分)〜万丈谷橋 12時25分通過
     〜(11分)〜西脇山取り付き 12時36分通過
     〜( 6分)〜自宅 12時42分着

     万歩計による歩数:16,700歩
     歩いた距離:12.3km