台風４号も通り過ぎ、今日も先週に引き続き六甲のアジサイ見学に出掛けることにした。向かうのは摩耶自然観察園、摩耶山の山頂にある自然公園だ。

　先週と同じく車で出掛けることにする。しかし自然観察園に駐車場は無い。山頂付近の駐車場は、オテルド・摩耶か天上寺の駐車場となる。どちらかに車を止めて観察園まで歩くことにする。

　さて、ハイキングコースをどう組み立てるか。ほどほどの距離で自然観察園を巡って駐車場に戻ってこれるコースが必要だ。途中、昼食は観察園か掬星台で取りたい。こんな条件から次のようなコース立てをした。

　駐車場には10時半頃に着くとする。ここから観察園に向かうと昼食時間には早すぎる。そこで、一旦穂高湖に向かい、そこから徳川道を西に進み、桜谷道出合いから桜谷を登る。自然観察園は桜谷道の終点、ちょうど昼頃に着けそうだ。

　自宅を10時頃出発、途中のコンビニで水と弁当を仕入れる。六甲山上のドライブウェーを走り六甲山牧場から摩耶ドライブウェーに進む。道の両サイドに咲くアジサイが綺麗だ。

　杣谷峠を過ぎて穂高湖西側の入り口前に来ると、数台ほど駐車可能なパーキングにまだ空きがあった。これ幸いとここに駐車することにする。

　穂高湖西入り口からすぐに徳川道へと進む。ここからの徳川道はずっと下りで歩くには楽なのだが、昨日までの長雨で石の階段が滑り易く神経を使う。暑さと相まって汗が吹き出す。

穂高湖西側入り口横のパーキングに車を止めて、ここから歩き出す	入り口を下り徳川道へと左の階段道を下る	少し行くと三叉路 （左：摩耶、中：徳川道、右：穂高湖堰堤）

　台風一過、待ってましたとばかりに山に繰り出す人は多く、何組かのハイカーと行き違う。徳川道を下りだし１０数分でシェール道分岐に辿り着く。ここから下ることわずかで桜谷出合いに着いた。

　徳川道は右手の川向こうに続く。このまま進むなら渡渉が必要だ。川は前日までの雨で幾分増水している。慎重に渡らないと駄目だ。今日はここで左手桜谷に進むのでその心配はない。

徳川道を下ること１０数分でシェール道分岐に着く	シェール道分岐から少し行くと桜谷道出合いに着く （左の階段：桜谷道、右手川向こう：徳川道）

　桜谷道の取り付きは岩の階段道で一見険しそうに見えるがすぐに山中の地道に変わり歩き易い道となる。この谷も例外無く堰堤越えの巻き道を歩かされる。３つ目の堰堤を越えると、道は沢沿いとなり、幾度か渡渉を繰り返す変化のある道となる。

　道もそろそろ終盤となる頃、一本の道標があった。一端は駐車場を指している。この道標の指し示す「駐車場」とは、一体どこの駐車場なのだろうか。周囲一体はまだまだ山の中、車を止めることが出来るような場所がこの近くにあるようにはとても思えない。

　そんな疑問を胸に抱きつつ進んで行くと、いつのまにか摩耶自然観察園の中に居た。道案内板を見てあじさい池に進んで見る。

　自然観察園は、森林植物園に次ぐあじさいの名所だけあって、そこかしこにアジサイの花が咲き乱れていた。時刻は丁度１２時を過ぎた頃、あじさい池のほとりでお約束の昼食休憩を取る。

　食事の後、掬星台に向かう。掬星台には、たくさんのハイカーが思い思いに休憩を取っていた。今から桜谷を下ろうかという声も聞こえて来る。早々に掬星台を出発し、オテルド・摩耶に向けて歩き出す。

桜谷道の取り付き付近、岩の階段を昇る	桜谷道の終盤近くにあった道標 どこの駐車場を指しているのだろうか？	摩耶自然観察園の中のあじさい池の周りに咲くアジサイ

周辺一体にアジサイが咲き誇っていた	アジサイをバックに記念写真を一枚	いつもの掬星台、ハイカーがたくさん休んでいた

掬星台からの下界の眺め

　オテルド・摩耶の前を通り過ぎ、六甲全山縦走路を進む。アゴニー坂への手前で道を少し戻り、天上寺に立ち寄る。天上寺の境内からの見晴らしを楽しむつもりだったが、生憎の天候ですっきりしない。とはいえ、明石大橋や淡路島までは見通すことができた。

　この後、妻の希望に従いアゴニー坂を下らず寺の表門へと石の階段を下る。表門を出て車道の斜め向かいにある天上寺の駐車場方向に進んで行くと、駐車場の横から山の中へと続く道があり、その取り付きには、「桜谷」を示す道標があった。

　桜谷道の途中にあった道標が示していた駐車場とは、ここのことだったのか。それにしても位置関係はどうなんだろう、などと思案をめぐらしながら進むこと数分で穂高湖駐車場に着いた。

　時間はまだ１４時過ぎ、六甲山牧場に立ち寄ることにした。牧場までは４キロ弱の道、歩くとなれば大変だが、車なので楽ちんだ。牧場のチーズ館側の駐車場に車を止める。

　生憎の天候だが、牧場はたくさんの家族連れやグループ、カップルで賑わっていた。場内に咲くアジサイを眺めたり、羊を見ながら、牧場をぶらりぶらりと歩くこと一時間余り、そろそろ帰ろうかという頃、遠くから雷鳴が聞こえ出したかと思うと、空が急変、激しいスコールに足止めを食らう。

この後向かう六甲山牧場を望む	摩耶山天上寺に立ち寄る	六甲山牧場のシンボル羊たち

アジサイと羊のツーショット	愛らしいしぐさの羊だが、道は羊の糞だらけ	今日歩いたコース

　チーズ館横の喫茶室で雨宿りを兼ねてミルクたっぷりのソフトクリームを味わう。雨はいつまでも止みそうになく少々小降りになった頃合を見て車まで駆け足で戻る。ドライブウェーを牧場から森林植物園方向へと走る。案の定、関の茶屋を過ぎて小部峠交差点からの渋滞に掴まる。

　渋滞に巻き込まれるたびに、関の茶屋から一旦南に下り洞川林道から二軒茶屋交差点に出る方が早いだろうなといつも思うのだが、なぜかこの道を進み渋滞に掴まってしまう。悔しい限りだ。

　忍の一字で渋滞を抜けるとあっという間に自宅に着いた。牧場に立ち寄らなければ、スコールに遭うことも渋滞に巻き込まれることもなかったのにと、ちょっと悔やまれた山歩きであった。