氷ノ山(大段ケ平登山口〜山頂〜大段ケ平登山口) 2009.10.31


     曇空の週間予報が外れて快晴に変わった今日、兵庫県一の山、氷ノ山に登って見た。

     定番の福定親水公園から氷ノ山越えの登山コースを予定していたのだが、頂上から二の丸方向にも足を延ばしたくて、時間余裕を考えて最も楽チンな大段ケ平からのファミリーコースで登ることにした。

     兵庫県北部へは、いつもは中国自動車道から播但道を使うのだが、趣向を変えて舞鶴自動車道から北近畿豊岡自動車道で和田山まで走ることにした。

     舞鶴道の三田西ICを過ぎてから濃い霧が立ち込め先行きが心配になる。視界は数十メートルという感じだ。春日ICから豊岡自動車道に入るとさらに霧は深くなる。 和田山市内に入ってもこの霧は晴れず、国道9号線を養父市内に入った頃、ようやく晴れ間が見え出した。

     9号線を離れ、氷ノ山国際スキー場を目指す。大段ケ平への近道である鵜縄から林道に入る。山の中腹は紅葉真っ盛りだ。一部ダートの広い林道を走ること半時間余りで大段ケ平登山口駐車場に着く。駐車場には既に数台の車が駐車していた。

    大段ケ平登山口の広い駐車場から望む氷ノ山山頂。
    山頂をズームアップ。


    駐車場から望む鉢伏方向。中央に見えるのは蘇武岳?


    駐車場のススキが綺麗だ。 登山口にある東屋。紅葉は終わりを向かえ落葉が始まっている。

     登山コースはブナ林の中の道。ここまで登って来ると紅葉は既に終わり、登山道は、落葉で埋まった明るく気持ち良い道となっていた。 頂上までは2.8km、緩傾斜の楽チンコース。さして急な登りでもなく本来なら汗を掻くほどの道では無いが、お天気が良いせいか、じわじわと汗が出てくる。

     歩き出して30分程で大屋町避難小屋に着く。避難小屋というものは掘っ立て小屋程度に想像していたのだが、実物に接してみてびっくり。鉄骨の頑丈な建物である。

     考えてみれば、山上の風雨、風雪、嵐に耐えるのだから頑丈であって当然だ。掘っ立て小屋ではとても避難できるものではない。

     避難小屋は2階にも出入口が設けてある。積雪時には1階の出入口は雪の中に埋もれてしまうためだろう。 その2階のドアが開けたままになっていた。

     明日の天気予報は確か雨であったはず。このままでは小屋の中が濡れてしまう。小屋の見学ついでにドアを閉めておいた。

     避難小屋から更に登ること20分程で、東尾根コースとの合流点に着いた。ここには神大ヒュッテが建つが、私設物なので立ち寄りはしないで先に進むことにした。


    ここが登山口。ブナ林の中の道を登る。
    登山口から山頂までは、最短の2.8km、ファミリコースだ。


    落葉の進むブナ林の中の登山道。緩やかな登り道だが、今日は以外に暑くて汗が出る。
    こんな楽チンコースでも転落事故が起こるのだろうか?


    大屋町避難小屋に着く。2階の扉が開け放されていたので閉めに上がる。明日は雨の予報なので濡れては大変。
    東尾根コースとの合流点、神大ヒュッテ前に着く。

     合流点から少し登ると道は木道となった。氷ノ山の頂上付近は不思議なことに湿地が多い。さらに上っていくと道は杉林の中へ。この辺りは千本杉、古千本杉と呼ぶらしい。

     杉林を抜けるとあと500メートル。登山口からブナ林、杉林を抜け、頂上に近づけば、その後は見晴らしの良い草原歩きが出きると思っていたが、左右の笹が背丈程に伸びており視界がきかない。

     道の前方に青空が広がるだけの味気ない登山である。見晴らしの良い山歩きを期待していただけにちょっと面白くない気分。 とはいえ、前方に頂上の避難小屋が見えてくると元気が出てくる。 

     ようやく山頂に登りついてみると、頂上には先客のハイカーがたくさん休んでいた。山頂碑の前で記念撮影の後、先客ハイカーに混じって休憩を取る。 この合間に、氷ノ山越え方向から次から次とハイカーが登って来る。流石に人気の氷ノ山だと感心する。


    少し登ると道は杉林の中。湿地帯のために木道が付けてあった。
    この辺りは千本杉、古千本杉。


    登山道は笹原の中。背丈程に伸びた笹で視界は悪い。特に上り方向では、笹と空しか見えない。
    あと500mとなった。


    山頂が見えて来た。この後も笹原の中で視界はもう一つ。


    山頂に着く。
    頂上の三角点。


    山頂からの遠望。北西方向から北方向を望む。右手の白く見える所は鉢伏山とスキー場だ。


    山頂の避難小屋前にあるケルン。
    二の丸方面の眺め。時間も十分にあるので二の丸頂上を往復しょうとしたが...

     ゆっくりと登って来たがファミリーコースだけに時間もかからず昼にはまだ早い。予定どおりに二の丸頂上をピストンしようと思う。

     二の丸への道だが、遠望では笹原の気持ち良い草原の道のように見えているのだが、こちらも笹藪の中の道のようだ。余り気が進まないのだが時間もあるので取り合えず向かって見ることにした。

     少し道を下ると、やはり左右は背丈程の笹で覆われ左右の視界はきかない。下り道だけに前方には二の丸方向がよく見渡せているが、面白くない道だ。

     下り道の途中、右手に脇道が延び、先を歩くハイカーがそちらに入っていったので何があるのかとついていって見ると千年キャラボクがあった。自然の造形に感心しつつ元に戻るが、これ以上進むことはもう止めて頂上に戻ることにした。

     頂上に戻って見るとハイカーは更に増え、大層な賑わいだ。時間潰しに少し氷ノ山越え方面に下って見たが、すぐに頂上に戻り、早目の昼食を取ることにした。

     昼食を取ると他にする事も無く、なんとなく消化不良の気分のまま、元来た道を下り始める。


    二の丸への下り道途中で千年キャロボクに立ち寄って見る。この後更に下って見るが道は笹原の中で視界が悪く引き返すことにした。


    山頂に戻って見るとたくさんのハイカー。時間潰しに氷ノ山越え方向へと少し下って見た。
    ハイカーに混じって早めの昼食休憩とする。


    この眺めを見ると鉢伏山までの縦走をいつかやって見たいと思う。早めの昼食の後、元来た道で下山にかかる。


    神大ヒュッテ前を通過。


    落葉の気持ち良い道を下って行く。
    大屋町避難小屋前を順調に通過。

     神大ヒュッテ前、大屋町避難小屋前を順調に下って行く。ブナ林の中に進むと木漏れ日が綺麗だ。 空の青さと落葉の茶色、笹の緑が良く溶けあって、良い雰囲気を作っている。

     頂上を下り出して1時間ほどで、登山口に下り着いた。朝に着いた時よりも車が増えている。バスも止まっていた。下り途中で擦れ違った団体さんの乗って来たバスだろう。

     登って来た林道を下る。帰りは鵜縄には抜けずに福定親水公園に廻って見ることにする。下り道途中で見る紅葉が午後の陽射しの中で明るく綺麗だ。

     東尾根登山口を過ぎ、氷ノ山国際スキー場を抜けると親水公園だ。 こちらの駐車場には車が溢れ、駐車場に入れなかった車が道路の路肩にズラリと並んでいた。


    木漏れ日の中の道。笹の緑と空の青さが良くマッチしている。
    無事に登山口に下り着く。


    下山すると駐車場には車が増えていた。仕度をして福定親水公園に向けて出発。
    林道から見る中腹の紅葉。


    氷ノ山国際スキー場の中を走る。


    福定親水公園付近の紅葉。
    親水公園を後に帰路に着く。

     公園を過ぎた辺りの路肩に車を留め、周辺を散策する。暫く紅葉を楽しんだ後、公園を後に自宅を目指して出発する。

     養父市内を過ぎた頃携帯電話が鳴る。路肩に車を留めて出てみると、春先から病院で床に伏している母の容体が急変したとの緊急連絡。自宅に戻らず一路病院へと向かう。 山を降りてからの電話で運が良かった。




     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    大段ケ平登山口 8時56分出発
     〜(26分)〜大屋町避難小屋 9時22分通過
     〜(19分)〜神大ヒュッテ 9時41分通過
     〜(34分)〜氷ノ山山頂 10時15分着、11時40分発
     〜(25分)〜神大ヒュッテ 12時5分通過
     〜(13分)〜大屋町避難小屋 12時18分通過
     〜(27分)〜大段ケ平登山口 12時45分着


     歩いた距離:約6km
     万歩計による歩数:10,060歩

    今日歩いたコース