六甲全山縦走 須磨浦公園〜宝塚 2009.11.23

     今日は11月23日勤労感謝の日。この日は神戸市主催の六甲全山縦走大会の日だ。大会に参加はしないのだが、大会参加者に紛れ込んで全山縦走を行うことにした。

     この時期、全山縦走ともなると東縦走路は夜道となり危険箇所の通過に不安があるが、今日はボランティアによる要所要所での監視やライト照明がなされるので安心だ。

     半縦走の経験は何度もあり全縦コースを知り尽くしてはいるが、全縦完走ともなると一人歩きでは頑張りが効かず途中で投げ出してしまうこと度々で、完走するには何か支えが必要だった。

     縦走大会への参加経験は一度も無く、一度その雰囲気を味わってみたいと思っていたのと、 大会に紛れ込めばなんとか完走できるだろうとの目論見で、朝4時に起き仕度をして須磨浦公園に向った。

     須磨浦公園駅に着いたのは6時過ぎ。既に大会のスタートは切られており、参加者2,000名の大半以上はもう出発してしまっている。先頭集団は、既に須磨アルプス辺りまで進んでいることだろう。

     スタート地点を横目に見ながら公園内の坂道を登り、参加者に混じって鉢伏山への石の階段に取り付く。先日の縦走トレの真似事の経験から、足への負担を軽くするためにダブルストックを使用した。これで楽に登って行ける。楽だからといっても他人を抜くようなことはせず力をセーブして登って行く。

    6:15 須磨浦公園を出発 6:38 旗振茶屋前 高倉台団地内を進む

     旗振茶屋前でストックをしまい先に進む。おらが山から高倉台団地への下り道からは、栂尾山への階段を登る渋滞が望めた。団地を通り抜け歩道橋を渡ると、栂尾山への階段に続く道は渋滞というより停滞していた。

     のろのろと進み、ようやく階段に取り付いても直ぐに立ち往生する。階段を登り切ってからも渋滞は解消しない。結局この渋滞は、栂尾山頂上手前の岩場を起点に発生していた。栂尾山頂上を過ぎると少しばかり歩き出すことは出来たがすぐにまた渋滞。横尾山頂上から先の須磨アルプスに入る手前の鎖場からずっと渋滞していたようだ。


    橋の向こうは渋滞の列が続く 渋滞の列に並ぶ 栂尾山頂前までこの渋滞


    7:34 栂尾山頂を通過 横尾山への道も渋滞 7:59 渋滞の中横尾山頂を通過

     ここを過ぎて須磨アルプスに差し掛かると、前方東山頂上手前まで渋滞の列が見える。これだけ渋滞すると追い抜くことは無理だ。追い抜いても追い抜いても切りも無くみんな諦めムードで大人しく我慢して歩いている。この大会では追い越し禁止を謳っているが、中には懲りずに追い越しを掛ける輩もいる。


    須磨アルプスの渋滞は東山頂上まで続いている 蟻が這うかの如くの人の群れ 馬の背を通過

     東山を下り横尾団地に降りてくると渋滞は一旦解消したものの、高取山の登りでまたまた渋滞。しかしこれが幸いして足への負担は随分と軽くなる。高取山からの下り、茶屋前では、バナナや飲み物を臨時販売していた。バナナに食指が動いたが振り切って先に進む。参道から縦走路への分岐のある広場のトイレで本日最初の小用を足す。既にこの広場では、ベンチで足にエアーサロンパスを吹き付けている人もいた。慣れぬ山道歩きに足が上がってしまったのだろう。


    馬の背を越えて振り返って見ると渋滞はずっと続いていた 8:43 東山頂上を通過 9:06 妙法寺前を通過

     高取山を下り丸山の街中を進む。コース途上にあるコンビニに立ち寄る。弁当やおにぎりの品切れを心配していたのだが、流石に弁当は売り切れ状態であったが、おにぎりはたくさん残っていてホッとする。今日は大会の日だけに仕入れをたくさんしていたのだろう。4個調達して先を急ぐ。

     この後の神戸電鉄ガード下から西神戸有料道路ガード下までの急な坂道はいつ歩いても嫌になる。いつもどおり高取山頂から45分で鵯越駅前に着く。ここで、先ほど買ったおにぎりを一つ取り出し、腰を降ろしていると時間が勿体ないので食べながら歩く。


    高取山の登りも渋滞、これが足には負担がなくて幸い 9:45 高取神社境内横を通過 10:30 鵯越駅前に到着

     菊水山登山口に着いた所で小休止を取る。ここからの急登な登りに備えストレッチを十分に行う。登り口からは既に渋滞の状態。諦めつつ渋滞の列に並ぶ。

     動き出すと自分にとっては丁度良い速度で隊列が進んで行く。全縦第一の関門である菊水山の急登な道だけに、こんな遅めの登りでも道脇に立ち往生してしまう参加者が出る。へこたれた参加者を横目に、無理しない速度で頂上に登って行く。ここの登りはきつくても30分程なのと岩場が多いのでストックは使用しないことにした。

     頂上は第一のチェックポイントで、参加者は順次テントの方へと進んで行くが、当方はフリーの身なのでそのまま真っ直ぐに無線鉄塔下の展望台に向かう。ここで昼食休憩を取る。2つ目のおにぎりと大福餅、みかんを食べて元気をつける。この先の天王谷までの下りに備え靴紐をきつく締め直す。


    11:03 人であふれる菊水山登山口 11:06 登山口の渋滞の列に並ぶ 11:33 菊水山頂上に着く。ここはチェックポイント。小休止を取る。

     15分弱の休憩の後、鍋蓋山を目指す。天王吊橋までの下り道も歩き始めから渋滞。摩耶山までは無理したくないので追い越しなどはしないで大人しく付いて行く。鍋蓋山への登り返しでも所々で渋滞が発生。摩耶山の登りまでは力を温存しておきたいと思い、ここの登りでもまたストックを使用することにした。

     鍋蓋山頂上ではいつも休憩を取るのだが今日は先を急ぐ。大龍寺山門前に来ると恒例のとん汁販売は既に売り切れ。ここでみかん2個を調達。100円と高いが仕方ない。


    12:11 天王吊橋を渡る 鍋蓋山の登りも渋滞発生 12:43 鍋蓋山頂上を通過


    13:07 大龍寺山門前。ここで2個100円の高いみかんを購入 市ケ原の河原を渡る 13:20 桜茶屋前。スポーツ飲料を購入。10分程休憩して出発

     市が原の桜茶屋前にてスポーツ飲料を調達。小休止の後、ここのトイレで今日2回目の小用を足した後、摩耶山に向けて出発する。

     天狗道取り付きから丸太階段道を登って行くとまたまた渋滞。暫く我慢して登って行くと、目の前の隊列が短くなって来た。よく見ると4人程先で渋滞が発生している。余りにも足の遅い人が道の真ん中を歩いており、それに続く人も同程度の力なのか追い越そうとしない。すでに追い越して先に行ってしまった人もあり、隊列が短くなったようだ。思い切って追い抜きを行う。

     この後は、時折、後ろから足の速い人が来ると道を譲り、先に遅い人がいれば追い抜きを行い、マイペースで登って行く。天狗道は岩場も多く、これが最後の登りだけにここではストックは使用しないことにした。頂上近くになって、腰につけていた万歩計がないことに気付く。どこかで落としてしまったようだ。粗品で貰ったものだけになくしても構わないが、計測が出来ないことが残念だ。


    学校林道分岐を通過 アドベンチャールート出会いを通過。頂上まで後少し 14:47 天狗道を登り切る

     予定どおりに15時前に摩耶山掬星台に登り着く。流石にここまで来ると休憩が必要だ。ここでもおにぎりと大福餅、みかんを食べる。宝塚ゴールの最終時間は22時40分、後7時間40分あるが東六甲縦走路分岐点の最終受付は18時30分、この後3時間あまりで分岐点まで行かなくてはならないことになる。

     夕食としてガーデンテラスでラーメンを、あるいは一軒茶屋で熱いうどんを喰いたい。掬星台からガーデンテラスまで2時間、ガーデンテラスから一軒茶屋まで40分と見積もれば、食事を取るとそんなに余裕がある訳では無い。長いは無用だ。15分程の休憩で腰を上げる。

     掬星台下の公衆トイレに立ち寄る。ここでふと頭がなんとなくすっきりしていることに気付く。常に被っているはずの帽子が頭にない。さては、ここまでの道で落としたか、それとも先ほどのベンチに置き忘れたか。引き返す時間が勿体ないが、ゴアテックスの帽子だけに失うにはおしい。直ちに先ほどの休憩場所に戻って見る。

     案の定ベンチには、帽子がそのまま置かれていた。これだけハイカーがいるとこんな帽子も珍しくなく、また場所取りでもしているように見えたのだろう全くの手付かず状態、無事でよかった。

     アゴニー坂を下り、自然の家を過ぎた後、いつも苦手とするサウスロードへの石の階段道に取り付く。ここで足を攣らせては大変なのでストックを使用する。それでも疲れた足には、ここの登りはつらく、追い越されること度々である。


    14:51 掬星台に到着。15分程休憩して先に進む アゴニー坂を下り車道を右に この先右手、サウスロードへの階段道に

     車道に出てからは、ガーデンテラスを目指して歩く。丁字ケ辻を過ぎ、藤原商店の前に来ると熱い肉まんを食べたいと思い立ち寄ってみたが、肉まんを食べている時間が勿体なくて熱いコーヒー牛乳で我慢する。

     記念碑台前を過ぎ、ゴルフ場を抜けてガーデンテラスに着いた時、フードテラスに入ろうかと思ったが時間を気にしての食事も味気ないとそのまま先に進むことにした。期待したラーメンが食えず腹も空き、仕方なくまだ残っていたおにぎりを一つ歩きながら食べる。おにぎりはもうこれで無くなった。一軒茶屋でうどんを食おうと思う。


    三国池出会い、車道に出る。ここから車道を歩く 16:05 丁字ケ辻を通過 16:19 記念碑台前を通過

     一軒茶屋までは車道を全て辿る。頂上手前では山道の方が近い箇所もあるが、歩いている人は誰一人として山道に入らず車道を進む。薄暮で車道はライト無しでまだ歩けるが山道に入るとなるとヘッドライトが必要だ。まだヘッドライトの準備はしていなかったので車道をそのまま進む。

     一軒茶屋前に着く。茶屋の道路向かいのトイレのある広場では、結構な数のハイカーが休憩をしていた。この先の東縦走路の下りに備えての最後の休憩ということなのだろう。

     一軒茶屋へうどんを食べに立ち寄ろうかと思ったが、ここまで付かず離れず一緒に歩いていたハイカー達が休むことなく先に進むのを見て気が変る。そのまま進むことにする。

     リュックにはまだ大福餅やどら焼きが残っている。いざとなれば腹の足しにはなる。東六甲分岐点手前のチェックポイントを通り過ぎ、東六甲縦走路の分岐点で山道に入ったのが17時38分。この調子では21時には、宝塚にゴール出来そうだ。帰りの交通の時間を気にしなくてもよさそうだ。

     東六甲縦走路は何度も歩いてはいるが夜道を歩くのは初めてだ。車道では、今夜はあいにくの三日月ではあるが、それなりに夜目も効きライトが無くても歩けるが、樹木に覆われた山道ともなるとライトがないと真っ暗で歩けない。ヘッドライトを足元に向けて注意深く道を下る。道は昨日の雨でぬかるんでいる。


    16:46 ガーデンテラスを通過。そろそろ暗くなってきた 17:26 一軒茶屋前を通過。もう暗闇の中 17:38 東縦走路分岐。ここから山道を下る。歩きながらの撮影なのでピンボケ

     山道に入ってすぐに前を歩く若者数人のグループに追いつく。前方、暗闇に浮かぶライトの明かりを見ると、グループの先は真っ暗だ。声を掛けて追い抜きを行う。すぐに先を歩く隊列に追いつく。隊列のずっと先までライトのスポットが明滅しているので追い抜きは無理だ。それなりの速度で進んで行くので大人しく付いて行く。

     真っ暗なのでどこをあるいているか全く判らない。ただただ足元を見て歩くだけだ。感で水無山頂上に着いたと思いヘッドライトで道標を確認するとその通りであった。次は船坂峠だ。

     船坂峠はまだかまだかと注意していたがどんどん登りとなる。どうやら峠はいつしか過ぎて大平山への登り道を歩いているようだ。この辺りで足に異変を感じ出した。右足、左足とも足裏に靴擦れが起きたようだ。足を踏みしめる度に軽い痛みが走る。2ヶ月前に新調した靴がまだ足になじんでいないのか、あるいは、三国池出会いから東縦走路分岐までの車道歩きが、靴擦れの原因かも知れない。

     植林帯の中の見慣れた道を過ぎると、分岐点から一時間余りで大平山の車道に着いた。道路脇には、休憩するハイカーがたくさん腰を降ろしていたが、こちらはそのまま進んで行くことにする。うどんが食えなかったので腹も空き、腹の足しにと大福餅を一つ食べながら車道を歩く。

     車道を暫く進み、山道に下って暫くすると車道を走る車の音が聞こえ出した。大谷乗越が近い。乗越への下りの急な石段道では、ボランティアがライトを照らしてくれており安心して下ることが出来る。

     大谷乗越を19時過ぎに通過。この調子であれば20時30分にはゴール出来そうだ。乗越から少し登り返す。前を行く二人連れにピタリとついて行く。先が空いていたようで、二人連れの速度が上がる。離されないように着いて行く。

     岩原山登り口手前で先を行く隊列に追いつきスピードダウンになるがここからは付いて行くしかない。見慣れた道を下り、砂山権現への分岐を過ぎるとザレた下り道の始まり。ここの下り途中でうっかり足を滑らせるが、幸い事なきを得る。

     塩尾寺を無事に通過すると、長い急なアスファルトの下り坂。流石に疲れた足には応えるようで、前を行くハイカーのほとんどが歩みが遅い。どんどん追い抜き下って行く。30分余りの下りの末にゴールに着く。時刻は20時21分、摩耶山を出発して5時間余り、夜道歩きとしては上出来である。


    19:06 大谷乗越を通過。フラッシュ無しなのでよくわからない 19:54 塩尾寺前を通過 20:21 宝塚ゴール入り口に到着。フリー参加なのでここまで。


     心配する家族に無事の電話を入れ、阪急宝塚駅に向かう。駅前では、宝塚市から足湯や甘酒のサービスが行われていて、近づいて行くとご苦労様でしたの掛け声とともに拍手で迎えられた。気恥ずかしい限り、早く帰りたくて立ち寄らずに駅構内へと進む。

     この大会、意外にも若い人の参加者が多いのにびっくり。いつも六甲をうろついているのは、私を含め中高年のおっちゃん、おばちゃんばかりなのに、この日は若いグループ、カップルが目立つ。日頃山歩きはしない若者も、この大会だけは、職場のグループのレクリェーション、あるいは話の種として参加しているのだろう。

     朝早くから夜遅くまでつらく長い道のりを自分の足だけで歩き通すということに誰しもロマンを感じるのかも知れない。


    縦走中の飲食物
    500ml x2
    1リッター
    2本持参
    スポーツ飲料
    500ml x2
    1リッター
    一本持参、桜茶屋にて一本購入
    コンビニおにぎり
    x4
    4個
    丸山街中コンビニで購入
    餡入り大福餅
    x3
    3個
    5個持参、2個余る
    みかん
    x5
    5個
    3個持参、大龍寺山門にて2個100円を購入
    栗餡入りどら焼き
    x3
    2個
    3個持参、1個余る
    コーヒー牛乳
    200ml x1
    1本
    藤原商店にて暖かいのを立ち飲み


     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    須磨浦公園スタート地点 6時15分出発
     〜(23分)〜旗振茶屋 6時38分通過
     〜(56分)〜栂尾山 7時34分通過
     〜(25分)〜横尾山 7時59分通過
     〜(44分)〜東山 8時43分通過
     〜(23分)〜妙法寺前 9時6分通過
     〜(39分)〜高取山 9時45分通過
     〜(45分)〜鵯越駅 10時30分通過
     〜(33分)〜菊水山登山口 11時3分着、11時6分発(3分休)
     〜(27分)〜菊水山 11時33分着、11時46分発(13分休)
     〜(25分)〜天王吊橋 12時11分通過
     〜(32分)〜鍋蓋山 12時43分通過
     〜(24分)〜大龍寺山門 13時7分通過
     〜(13分)〜市ケ原 13時20分着、13時31分発(11分休)
     〜(76分)〜摩耶山天狗道下山口 14時47分通過
     〜( 4分)〜掬星台 14時51分着、15時7分発(16分休)
     〜(58分)〜丁字ケ辻 16時5分通過
     〜(14分)〜記念碑台前 16時19分通過
     〜(27分)〜ガーデンテラス 16時46分通過
     〜(40分)〜一軒茶屋 17時26分通過
     〜(12分)〜東縦走路取付 17時38分通過
     〜(88分)〜大谷乗越 19時6分通過
     〜(48分)〜塩尾寺 19時54分通過
     〜(27分)〜宝塚湯本台ゴール 20時21分着