渦森台〜天狗岩南尾根〜油コブシ道〜寒天山道(けわしい道下り〜ゆるやかな道往復〜けわしい道往復)〜渦森台〜坊主山〜高羽道〜油コブシ道〜六甲ケーブル下 2010.1.24


     六甲の道はほとんど歩いたと思っていたが、まだ歩いていない所があった。寒天山道と高羽道だ。そこで、今日は、渦森台から天狗岩南尾根を登り、下りは、油コブシ道から寒天山道を下って一旦渦森台まで戻り、その後高羽道を歩くコースを考えた。ついでに坊主山に登れたらラッキーだ。坊主山への取り付きがどこにあるのかよく知らないが、現地に行けばなんとかなるだろう。

     JR住吉駅前から市バス38系統渦森台行きに乗る。渦森台4丁目にて市バスを降り、住宅地東角から千丈谷に入渓する。入り口にあった道標には、以前は「西山谷(熟練者向け)途中分岐点あり天狗岩南尾根」との表示があったが、今日来てみると、天狗岩南尾根の案内が消されていた。


     渦森台4丁目バス停が今日のスタート。バスの進行方向とは逆に戻り住宅地の東の端に進む。
     この辺りは標高が300メートルもあり眺望も良い所だ。


     正面の柵を越えて千丈谷に進む。左に行くと寒天山道の取り付きだ。  千丈谷入り口にある道標。なぜか天狗岩南尾根の案内が消えている。

     ひょっとして、こちらからは登れないのだろうかと不安がよぎる。分岐点は記憶にあるので、ともかく谷を先に進んでみる。第二堰堤手前突き当たりを右に堰堤の巻き道へと上がる。少し登ればすぐに天狗岩南尾根への道が分岐するはずであったがそれらしき道が見当たらない。

     先の不安が頭をよぎる。そんなはずはないとウロウロして道を探す。少し戻って見るとなんとか右に斜面を登る道を見つけることが出来る。巻き道に取り付いた位置が堰堤に近すぎたのと分岐点が不明瞭になっていたので判らなかったのだ。

     無事に道が見つかり左岸の山腹を左に巻くように進んで行く。尾根の手前で寒天山橋からの道に合流した。ここからは暫く急登な尾根道を登って行く。この後、急登な道と平坦な道の繰り返しを2〜3度繰り返し、小一時間程で天狗岩に到着した。


     千丈谷を真っ直ぐに突き当たりまで進む。
     突き当たり第二堰堤手前で右の巻き道に上がる。天狗岩南尾根に至る道の取り付きが判らずウロウロする。


     山腹を左に巻いて尾根の手前で寒天山橋からの道に合流した。
     合流点に立つ道標。ここに西山谷の表示はなかった。


     天狗が見えて来た。後少しだ。
     天狗岩のある広場に登り着いた。

     今日は、霞みもない快晴の冬晴れで天狗岩からの眺めはすこぶる良い。摩耶山頂の向こうには明石大橋の美しい姿が見て取れる。暫し眺望を楽しんだ後、北に向かい今は廃業したオリエンタルホテル横からドライブウェーに出る。

     ドライブウェーを西に油コブシへの下山口を目指して進む。西山谷上流部では、治山工事が行われていた。またもや堰堤が出来るのかと不安な面持ちで工事案内板を眺めて見ると「谷止工2基」と書かれてあった。

     「谷止工」とはそもそもどんな工事なのか良く知らないのだが、堰堤工とは書かれていないので大きな堰堤が出来るわけではなさそうだ。でも2基と書かれているところから堰堤のようなものが出来る事には違いがなかろう。これでまた遡行困難な西山谷の遡行が更に困難になるのかもしれない。


     西方向の眺め。摩耶山の向こうには明石大橋が見える。


     これが天狗さん。  明石大橋をズームアップしてみた。


     こちらは東方向の眺め。


     天狗岩からオリエンタルホテルの裏を通りドライブウェーに出る。
     ドライブウェーを西方向に油コブシ道を目指して進む。


     西山谷では治山工事が行われていた。  谷止工って何? 大きな堰堤が出来るのではないような気がするが。

     ドライブウェーの分岐を六甲ケーブル山上駅方向へと進み油コブシ下山口に着く。ここからは、先ほど居た天狗岩が小さく見える。下山を開始。寒天山道への分岐で寒天山道へと進む。暫く水平な道を進んで行くと「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐が現れた。迷わず真っ直ぐに「けわしい道」へと進む。

     「けわしい道」に進むとすぐに急下り。続いて杉植林の中の急斜面を下る。まさに「けわしい道」だ。とはいえ、なんとなく違和感を感じる。古くからあるような道ではない。本当にこれが「けわしい道」なのだろうか。

     急傾斜の斜面を下り終え、やや斜面が緩くなり出した頃、右手下に登ってくるハイカーの姿が見えた。この先でハイカーと行き交うかと思ったら、なぜか道は左に折れてハイカーと擦れ違うことなく下ってしまう。一体あのハイカーはどこから登ってきたのだろうか?ひょっとして今下っている道は間違っているのだろうか?そんな疑問を抱きつつ下って行くと、左から右に、登って行く道に合流した。

     合流点に道標は無い。さては、「けわしい道」とは、こちらの道だったかも知れない。先のハイカーはここを登ったはずだ。寒天山道へは今後何度も来る予定は無い。疑問のままに今日の行程を終わらす訳には行かぬ。この疑いを晴らすべく道を登り返すことにした。


     ドライブウェー交差点。右手の道はゴルフ場への道。左のケーブル駅方向に進む。
     油コブシ下山口辺りから眺める天狗岩。


     ここが油コブシ下山口だ。
     油コブシ道もこの辺りは快適な道だ。


     寒天山道との分岐。左:寒天山道 直進:油コブシ頂上へ
     ここには風情のある石の道標もある。


     寒天山道に入って少し行くと2分岐に至る。
     右「ゆるやかな道」、直進「けわしい道」とある。迷わずに「けわしい道」へと進む。


     杉植林の中の急傾斜の斜面を下る。つづら折れの道だが足場は滑り易くて危険。
     左から右に登って行く道に合流した。この道が本来の「けわしい道」なのかもしれないと思って登り返す。

     登って行くと一向に先ほど下った斜面には至らずどんどん離れて行く。ひょっとしてこの道は、「ゆるやかな道」かも知れないと思い、確かめるべく引き返す事無くそのまま登って行くと案の定「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐に登りついてしまった。なるほど、あのハイカーが登ったのは、「ゆるやかな道」であり、先に下った斜面の道は「けわしい道」で間違いなかったようだと納得する。

     「ゆるやかな道」を下り、もう一度あのハイカーの姿を見かけた辺りを探してみる。それらしき所まで下って来ると、なんと数メートル隔てて2つの道が接近していた。「けわしい道」と「ゆるやかな道」は途中で接近していたのだと納得しつつも新たな疑問が湧く。神戸市発行のハイキング地図では、接近などしていない。

     新たな疑問を抱きつつ「ゆるやかな道」を下って行く。先の登り返しを始めた辺りを通り過ぎて更に下って行くと道標の立つ所に出た。道標には、右「けわしい道」、左「ゆるやかな道」とある。左の「ゆるやかな道」は今下って来た道だ。

     「けわしい道」と指す方向を眺めて見ると、向こうの先には道があるのかどうか、どうにも不明瞭だ。それにしても不思議だ。ここの道標が示す「けわしい道」とは一体どこなんだろうか?あの先ほど下った急傾斜の斜面の道は「けわしい道」ではなかったのだろうか。


     「けわしい道」かと思って登り返して見たら、「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐に戻ってしまった。登り返した道は「ゆるやかな道」であった。
     今度は、今登って来た「ゆるやかな道」を下り直す。


     先に下った斜面の道(写真中央の道)と、ゆるやかな道(写真右)はわずか数メートルに接近していた。(斜面の道下り方向で見た所)


     ゆるやかな道(写真左)と斜面の道(写真右)の接近部分を登り方向で見た所。


     下側の「ゆるやかな道」(左)と「けわしい道」(右)の分岐点。
     けわしい道を登り返すことにする。

     またまた湧いた疑問を晴らすべく「けわしい道」に取り付く。少し行くと踏み跡は薄くなり、倒木や枯れ枝が至る所で道を塞ぎ、道を外さずに登ってゆけるのだろうかと不安に駆られる。急登な道を、なんとか踏み跡を探りながら登って行くと尾根に乗り上げた。そう「けわしい道」とは尾根を辿る道であった。踏み跡も薄いので今や誰も通らぬ道となっているのだろう。

     この先どこに出るかとずっと登って行くと、植林の急傾斜の斜面の下りに入る手前に出てきた。そこから更に少し登り返すと今日3度目の「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐点に出た。つまりは、尾根の「けわしい道」と「ゆるやかな道」、それともう一つ、急傾斜の斜面の道があった訳だ。これで全て疑問が解消される。

     尾根の「けわしい道」を下るのはちょっと危険な気がして、最初に下った植林帯の中の急傾斜の道を下る。下側の「けわしい道」と「ゆるやかな道」の分岐を通過し、さらに下って行くと送電鉄塔直下で分岐が現れた。右への道は高羽道への道だろう。ここは、左に本来の寒天山道を下る。


     けわしい道は尾根道で、登って行くと2分岐の地点から少し下った所に登り着いた。


     登り着いた所を振り返って見ると、急斜面の下り道の始まる場所であった。


     念のために2分岐点まで進んで見る。今日3度目の場所だ。
     間違いなく「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐点だ。
     下りは、最初に下った急傾斜の斜面の道で下る。


     再び杉植林の中の急傾斜の斜面を下る。一度通った道なので、迷わずにどんどんと下って行く。  下り途中で、「ゆるやかな道」との接近点を再度確認。


     左から右に登って行く「ゆるやかな道」に再び合流する。


     下側の「ゆるやかな道」と「けわしい道」の分岐点に戻って来た。

       下り道途中の展望公園で昼食にしようかと思ったが小学生が野球の練習をしておりうるさいので諦める。一旦住宅地にまで下り、住宅地を西の端に高羽道の取り付きへと進む。

     高羽道に入るとこの辺り一体はグリーンベルト整備事業による整備が進められており、坊主山への道も案ずるまでも無く確かな道が付けられていた。寒天山道での「ゆるやかな道」と「けわしい道」の2度の登り返しで1時間程無駄な時間を費やしてしまった。坊主山に登るかどうか、グリーンベルト整備事業の案内板にある背山散策路をグルリと一回りしてみるか、などこの先の行程を案内板の前で思案する。時刻はまだ12時過ぎであり時間の心配は無い。予定通りに坊主山に向かうことにする。


     2分岐点から下って行くと、送電鉄塔直下に新たな2分岐が。右の道は高羽道に至る。ここは真っ直ぐに渦森台に下る。
     右手に渦森台展望公園をやり過ごす。
    子供達の野球の練習でうるさくて休憩できない。


     渦森台住宅地に下って行く。
     下り終えて振り返った所。ここが寒天山道の始まりとなる。


     朝一番最初に通過した所に戻って来た。


     住宅地の北西角にある高羽道の取り付きに着く。
    高羽道案内図を眺めて見る。坊主山への道は書かれていない。


     住宅地の取り付きから少し歩くとグリーンベルト整備事業の案内図があった。
     案内図にある道を全て歩いて見たいと思う。展望所にも興味が湧く。暫しこの後の行程を思案し、まずは坊主山を目指すことにする。

     坊主山頂上にて昼食休憩を取る。頂上からは眺望はもう一つだ。30分程の休憩の後、元の場所に戻り、高羽道を北に進む。渦っ子の森を過ぎ、整備された道を更に登って行く。堰堤手前で左に進みT分岐に至る。左は坊主山方向、右は油コブシ方向だ。


     坊主山への道を登って行く。緩傾斜の道だ。鉄塔の立つところが頂上だ。  坊主山頂上に着く。  小さな空き地が頂上。頂上らしくない頂上だ。


     眺望はもう一つだが昼食休憩をここで取る。
     頂上からの下り道から見る阪神市街地の眺め。


     先ほどの案内図のところに戻って来た。この先を左に進んで行く。


     少し行くと「渦っ子の森」に着く。
     右の道に入ると寒天山道に続く。先ほど下って来た時に見た鉄塔直下の分岐に出る道だ。


     道なりに登って行くと、右の油コブシ方向と左坊主山方向のT分岐に行き当たる。

     ここは一旦左に進み岩場の展望所を目指す。岩場から眺望を楽しんだ後、さらに坊主山方向へと進む。直ぐに道は下りだす。少し下った所で、道も確認出来たことに満足し、油コブシへと来た道を引き返す。


     左の坊主山方向に進む。この先に展望所があるのだ。  この岩場が展望所だ。


     大きな2つの岩の間から眺望が楽しめる。
     岩の上から眺める神戸の街並み。下に見える住宅は鶴甲団地だ。


     岩場から更に坊主山方向に進むと、道は急坂下りとなりだした。この辺りで引き返すことにした。
     先ほどのT分岐にまで戻って来た。真っ直ぐに油コブシ方向に進む。

     先の分岐から、油コブシ道に合流するまでの高羽道は山腹の気持ち良い道であった。 合流点からは、歩いた事のある道であり、六甲ケーブル下駅を目指して一気に下って行った。六甲ケーブル下駅から市バスに乗り帰路に付く。


     油コブシ道までの高羽道は快適な道であった。
     ここで油コブシ道に合流する。真っ直ぐに進み下山する。


     老人ホームの敷地角にある油コブシ道の取り付きまで下って来た。  六甲ケーブル下駅に到着。今日も無事に山歩きを終了。


     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    渦森台4丁目バス停 8時43分出発
     〜(63分)〜天狗岩 9時46分着、9時57分発(11分休)
     〜(20分)〜油コブシ下山口 10時17分通過
     〜(14分)〜寒天山道分岐 10時31分通過
     〜( 3分)〜けわしい道・ゆるい道上側分岐(1回目) 10時34分通過
     〜(26分)〜けわしい道・ゆるい道上側分岐(2回目) 11時0分通過
     〜(17分)〜けわしい道・ゆるい道下側分岐(1回目) 11時17分通過
     〜(20分)〜けわしい道・ゆるい道上側分岐(3回目) 11時37分通過
     〜(15分)〜けわしい道・ゆるい道下側分岐(2回目) 11時52分通過
     〜(11分)〜寒天山道登山口(渦森台) 12時3分通過
     〜( 9分)〜高羽道登山口(渦森台) 12時12分通過
     〜( 2分)〜坊主山登山口 12時14分着、12時18分発(4分思案)
     〜( 7分)〜坊主山頂上 12時25分着、12時53分発(28分休)
     〜( 5分)〜坊主山登山口 12時58分通過
     〜( 4分)〜渦っ子の森 13時2分通過
     〜(10分)〜油コブシ道への分岐 13時12分通過
     〜( 4分)〜展望所 13時16分着、13時18分発(2分休)
     〜( 6分)〜油コブシ道への分岐 13時24分再通過
     〜( 6分)〜油コブシ道合流 13時30分通過
     〜(12分)〜油コブシ登山口 13時42分通過
     〜( 7分)〜六甲ケーブル下駅 13時49分着

     歩いた距離:約11.3km(渦森台4丁目バス停〜六甲ケーブル下駅まで)