北アルプス 乗鞍岳 2010.9.11

     日本アルプスの3,000m級の山に登るというと、ちょっと腰が引けてしまうものだが、実は、誰もが簡単に頂上に立てる山がある。先日に登った木曽駒ヶ岳などがそうだ。そんなお手軽登山ができるもう一つの山、乗鞍岳に今日は登ることにした。

     乗鞍岳は、乗鞍スカイラインのお陰で一気に2,700mの高さまで車で登れてしまう。乗鞍岳頂上である剣ヶ峰は標高3,026m、その標高差は300m程。いつもの摩耶山登山に比べれば楽勝の距離と高さだ。ただし、このスカイライン、通年マイカー通行規制が行われており、麓の駐車場からシャトルバスに乗りかえねばならない。

     神戸からの登山ともなれば前泊が普通だが、高速道路のお陰で少し無理をすれば日帰りが可能となる。今の時節、午後ともなれば山はガスることが多く午前中に登山を終えれるよう朝4時に神戸を出発した。

     中国自動車道、名神高速道路、東海北陸自動車道と乗り継ぎ、長良川SAにて朝食を取った後、飛騨清見ICにて高山道に乗り継ぐ。高山ICにて高速道路を降りて国道を走る。コンビニで食糧を調達。シャトルバス乗り換えの朴ノ木平バスターミナルに到着したのが7時55分過ぎ。折しもシャトルバスが出発した所。次のバスの出発8時25分まで、登山支度、バスの切符購入、コスモス園散策で時間をつぶす。

    朴ノ木平バスターミナルの駐車場に車を止める。ここでシャトルバスに乗り換える。
    駐車場の一角にあるバスターミナル。ここで乗鞍畳平行き往復切符(2,200円)を購入。


    バスターミナルの駐車場は朴ノ木平スキー場の駐車場でもある。
    ここでは、コスモス園が開催されていた。
    バス発車時刻8時25分までのバス待ちの間、コスモス園に寄ってみた。

     25分発の乗客は少なく運よく一番前の席に座れる。シャトルバスは時速30kmでゆっくりゆっくりとスカイラインを登って行く。高山辺りでは曇り空であったが朴ノ木平からは快晴ともよべる上天気でバスからの眺めもすこぶる良い。

     スカイラインを登って行くと車窓から北アルプスの山々を望むことが出来るようになる。50分程の乗車で、畳平駐車場に到着。気温は10度と長袖のTシャツ一枚では寒く、あわてて、もう一枚半袖のTシャツを上に着込む。これでもまだ肌寒いが、歩きだせばすぐに暑くなるはず。トイレを済まして駐車場東南角の登山口へと進む。



    シャトルバスの一番前の席に座る。バスは乗鞍スカイラインをゆっくりと走る。
    森林限界を超えてバスは登って行く。
    車窓から見る槍ヶ岳、穂高連峰。


    乗鞍岳頂上が見えて来た。
    乗鞍畳平駐車場に着く。後方のピークは恵比寿岳。


    畳平駐車場は広い駐車場だが、今はマイカー規制のためガラガラ。
    建屋後方は、不動岳。
    駐車場から富士見岳を望む。

     鶴ケ池を巡る道で富士見岳方向に進む。富士見岳北側登山口から頂上を巻く山腹の緩やかな坂道を登って行く。右手に不消ヶ池を見ながらぶらぶらと景色を眺めながら歩く。富士見岳南側登山口を過ぎると肩の小屋口に着く。

     右に進めばコロナ観測所、左に直進すれば肩の小屋。ここは真っ直ぐに肩の小屋を目指す。乗鞍岳頂上が眼前に現れる。夏場も残る雪渓ではスキー、あるいはスノボを楽しんでいる人が見える。ほどなくして道は右に曲がり、緩やかに下って行くと肩の小屋についた。

     休憩を兼ねて肩の小屋売店に立ち寄って見る。小屋の前から剣ヶ峰への登山道が始まる。ここまでの道は観光道路のような道であったが、ここからの登山道はガレの道となる。朝日岳の東斜面を巻いて上がる道だ。見上げると結構急登な道のように見える。



    駐車場の東南角の富士見岳に向かう登山道入口にある案内板。ここから鶴ヶ池を回る道に進む。
    富士見岳登山口から振り返って見る駐車場。中央は鶴ヵ池。


    大黒岳の肩越しに望む槍ヶ岳。
    富士見岳を右に巻く緩やかな道を登って行く。正面ピークの白いドームはコロナ観測所。


    富士見岳を巻き、コロナ観測所への分岐をやり過ごし、
    少し行くと眼前に剣ヵ峰頂上が現れる。
    摩利支天岳を左に巻くと肩の小屋が見えてくる。ここからは小屋まで緩やかに下る道。


    肩の小屋と乗鞍岳頂上を望む。左のピークが頂上の剣ヵ峰。
    肩の小屋からガレの多い登山道が始まる。

     ガレ混じりの道を登る。山腹を大きく右にカーブすると道はガレの道となった。ガレの道を数度、ジグザグに登って行くと、朝日岳と蚕玉岳の鞍部に登り着いた。

     蚕玉岳に向かう稜線に出ると、右手の権現池から強風が吹き上げてきて、思わず体を吹き飛ばされてしまいそうになる。強風に注意しながら稜線を少し登ると蚕玉岳山頂に着いた。

     蚕玉岳山頂を少し下って緩やかに登り返すと左右ガレ場の分岐に至る。右手は頂上からの下りの道のようだ。ここは、左手方向、頂上小屋経由の上り道に進む。ガレの道を少し登り、右に折れるとそこは頂上小屋前であった。ここから少し道を登ると祠の建つ剣ケ峰頂上に着いた。登り着いた所は祠の裏側、祠の正面へと反対側に回って見る。乗鞍本宮と書かれた祠の前で参拝をする。

     祠の前の小さな広場には、頂上の碑があり、登山者が順番に記念写真を撮っている。我々も二人仲良く記念写真を撮ってもらう。



    登山道は朝日岳を巻くように登って行く。途中で振り返り肩の小屋を見下ろす。
    摩利支天岳の向こうに槍ヶ岳、穂高連峰を望む。


    肩の小屋が随分と遠くになった。


    剣ヶ峰頂上小屋前に着く。祠のある頂上はもうすぐそこだ。
    頂上小屋を通過。頂上に向かう。
    頂上東側に着く。祠の正面は西側にある。向こうに回って見る。


    祠正面。乗鞍本宮だ。参拝する。
    本宮前に頂上(3,026m)の碑があった。
    後方に見えるピークは木曽御嶽山。
    御嶽山を望む。向こうの頂上も晴天のようだ。

     南側に御嶽山が良く見える。向こうの頂上もガスはなく、眺めがさぞ良いことだろう。御嶽山も3時間程度で頂上に立つことが出来る。近いうちに登ってみたいものだ。

     ガレ場に建つ祠の南側に腰を降ろし休憩を取る。持参したオニギリと高山市内のコンビニで購入した大福餅でエネルギー補給を行う。

     360度の眺望で遠く富士山の頂上まで望むことが出来る。今日は霞もなく大パノラマを楽しめる。北アルプスから中央、南アルプスの山々。八ヶ岳まで望むことが出来る。見えるピークの全てを山座同定出来る程の知識がないのが淋しい限り。

     祠の前の鳥居をくぐり、ガレの中を下って数分で稜線に降り立つ。砂混じりの稜線の道を、蚕玉岳頂上手前で右手の巻き道に進む。朝日岳との鞍部から右手に折れてガレの道を下る。時間はまだお昼前だけにまだまだ登って来る登山者が絶えない。8月のお花の見頃も過ぎ、紅葉にはまだ早い時期ではあるが、流石に人気の山、軽装の観光客も多く、大層な賑わいだ。この後お天気がくずれなければ良いのだが。



    東から南西方面の眺め。頂上は360度の眺めが楽しめる。


    富士山をズームして見る。富士山は頂上の一角だけを望む事ができる。 頂上のガレ場で休む登山者たち。祠の南側で休憩を取る。 本宮前は頂上碑があるので登山者で混雑している。下山道は、この鳥居をくぐる。


    下山道はガレの中。
    ガレ場を下り切った所。中央正面は蚕玉岳ピーク。左が朝日岳ピーク。
    肩の小屋前まで下って来た。

     頂上を出発して40分程で肩の小屋に下り着く。ここでトイレを済まし来た道を戻る。肩の小屋口から富士見岳に登る。富士見岳頂上では、記念写真を撮ってすぐに下山にかかる。丁度この頃から西側にガスがかかり出した。剣ヶ峰頂上もあっという間にガスの中に隠れてしまった。

     富士見岳の北側に下る。登山口から左に鶴ヶ池を巡る道に出て駐車場へと戻る。駐車場に戻るとまたたく間に辺り一面ガスの中となる。20分程の待ち時間でシャトルバスに乗る。下山のバスは満員であった。



    コロナ観測所への分岐点まで戻って来た。 ここから富士見岳に登る。南側から登り頂上を経由して北側に下ることになる。 富士見岳頂上(2,818m)に立つ。風がきつい。


    富士見岳頂上から畳平駐車場を見下ろす。この頃から急にガスってきた。
    富士見岳北側の登山口に降りて来た。


    駐車場南東角まで戻ってきた。西南西方向からガスが立ち上ってきている。 駐車場に戻るとまたたく間に辺り一面ガスの中となった。13時20分発のシャトルバスで朴ノ木平に戻る。

     朴ノ木平駐車場にてシャトルバスからマイカーに乗り換え、下山後の入浴と食事を楽しむべく平湯温泉に向かう。温泉街入口のひらゆの森にて、食事と露天風呂を楽しむ。温泉でさっぱりとした所で神戸へと帰路に付く。



     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    乗鞍畳平駐車場 9時10分出発
     〜(37分)〜肩の小屋 9時47分着、9時55分発(8分休)
     〜(43分)〜蚕玉岳頂上 10時38分通過
     〜(13分)〜乗鞍岳頂上 10時51分着、11時16分発(25分休)
     〜(43分)〜肩の小屋 11時59分通過
     〜(31分)〜富士見岳頂上 12時30分通過
     〜(21分)〜乗鞍畳平駐車場 12時51分着