DENON カセットデッキ DRR-M10の修理 2006.03.12

     ジャンク品2台のセットです。ヤフオクにて100円で落札。商品説明には、
    2台ともテープを入れてもEJECTされます。ジャンク品です。
    修理の可能な方入札お願いします。
    外観は若干のスリキズがあります。ご了承ください。付属品はありません。
    のように書かれてありました。

     商品が到着し早速動作確認に取り掛かります。トレイの開閉動作を確認しました。何回か操作を繰り返して見ると、時々ですが、一旦閉まったトレイが暫くすると勝手に開いてしまいます。説明にあったとおりカセットがEJECTされてしまうという現象が見られました。

     このカセットデッキのトレイの形状を見た限りではKENWOODのカセットデッキX-SE7やX-SG7と全く同じように見えます。デッキのケースカバーを開けて見ると、予想どおり同じカセットトレイが出てきました。同じものが使われていれば修理は簡単です。原因は多分ベルトのヘタリと思われます。

     このデッキのメカでは、メカの横にトレイ開閉のためのベルトがあります。トレイが開いた状態から閉じた状態になった時、カセットケースの押さえ金具がカセットを押さえますが、押さえ金具は同時に、検出スィッチのスィッチを閉じます。

     ベルトがへたってくると押さえ金具が十分に落ちきらず、検出スィッチのスィッチも閉じられず、カセットの取り込み不良と認識されて、一旦閉じたトレイが開いてしまいます。

     修理ですがベルトを新しいものに取り替えて完了です。これで不具合は解消されました。分解したついでに、キャプスタンやヘッド部分をアルコールで清掃するとともにヘッドの消磁をしておきました。

     このデッキでは、ドルビーのノイズリダクションB、Cの他HX PROの機能が付いています。これに関してはX-SE7やX-SG7と同じですが、メタルテープの録音にも対応しています。最近のカセットデッキでは、メタルは再生のみというのが一般的ですので録音も可能というのは価値があります。


    トレイが開いている状態。

    トレイが閉じた状態。検出スィッチも閉じます。

    キャプスタンが磁性体で汚れていた。

    キャプスタン、ピンチローラ、磁気ヘッドを清掃した。