クロックアップでHDDに不具合発生 1998.2.3

     1月29日発売のDOS/Vmagazine 1998−2.15号にパーツの相性問題特集が掲載されている。

     私が今所有しているビデオカードなどの相性問題については別ページに記載したとおりである。今から書くHDDの不具合についても,ハードウェアの相性問題に分類出来るものかも知れない。

     昨年秋頃のこと,Windows95を起動したところ,「XXXXXファイルが見つかりません,XXXが破壊されています」などと訳の分からぬメッセージを出し,さらに「リブートしてください」,とのたまう。仰せのとおり,電源再投入するも全く同じ。何度繰り返しても症状改善せず。一体何が起きたのか。


     ちょうど一週間前に4.3GBのハードディスクを増設した。この増設に伴いハードディスクの環境を大幅に変更した。

     増設前2.1GB(Master)+2.1GB(Slave)のディスク環境であったものを,4.3GB(Master)+2.1GB(Slave)の構成に変更した。パーティションの変更は次のとおり。

     (増設前)
      2.1GB(Master) ---> C:(1.0GB) + D:(0.5GB) + E:(0.5GB)
      2.1GB(Slave) ---> F:(0.5GB) + Linux-native(1.5GB) + Linux-swap(0.1GB)

     (増設後)
      4.3GB(Master) ---> C:(1.5GB) + D:(0.5GB) + E:(0.5GB) + F:(0.5GB) + Linux-native(1.0GB)
      2.1GB(Slave) ---> Linux-native(0.5GB) + Linux-native(1.5GB) + Linux-swap(0.1GB) 


     ハードディスクの型番は,2.1GBのHDDが Quantum Fireball TM2100-AT, 4.3GBのHDDが Quantum Fireball SE4300-Ultra-ATA で,いずれもQUANTUMで統一している。

     マザーボードは,ASUSTeK P/I-P55T2P4 (430HX)でUltra−ATA非対応であるが高速ハードディスクとしての動作を期待してUltra−ATAのハードディスクを調達した。

     新しい4.3GBのハードディスクをSecondryのMasterに接続し,パーティションの作成,フォーマットを行い,既設の各ドライブの内容を丸毎コピーし,新しい環境を構築した。

     その後,PrimaryのMasterに接続していた2.1GBのハードディスクを取り外し,4.3GBのハードディスクをMasterに接続。このような過程を経て,無事Windows95,Linuxをそれぞれ動作させることができた。

     C:ドライブにインストールされているWindows95のシステム一式を別ドライブにコピーするには,それなりのテクが必要であるが作業は問題なく終了したはずである。


     こうして約一週間,Windows95は問題なく動作していたが,なぜかファイルが破壊されたかのような症状を呈して起動しなくなった。

     Windows95は再インストールではなくファイルのコピーにて移行した。このことにより何か不都合が生じているのかも知れないと思い,やりたくなかった再インストールを行うことにした。

     インストール用CD−ROMの内容は,既にE:ドライブに複写してある。C:ドライブからWindows95の痕跡一切を消し去り,E:ドライブからインストールを開始した。

     するとインストールの途中で,またもや「XXXXファイルがみつからない」だとか「一般保護違反が発生しました」などとのたまいインストールを中止してしまう。一体全体何が起こっているのか。

     このようなインストール途中のエラーメッセージには以前遭遇したことがある。会社で購入したFMV−DESKPOWERのWindows95が「一般保護違反」を頻発し,再インストールするハメになった。

     再インストール作業を行っていた時である。再インストール過程で同様のエラーが多発した。この時は,2次キャシュのキャシュ動作をBIOSで殺すことによりうまく解決した。

     今問題が発生しているマシンは,昨年夏頃に,AMDK6−P200にCPUを交換し,75Mx3の225Mで動かしている。さては,このクロックアップでメモリ回りに不調がでているのかも知れぬと,FMV−DESKPOWERの時に2次キャシュのキャシュ外しでうまく切り抜けた事を思い出し,同じように2次キャシュを外してみた。ところがこれでも全然ダメである。

     他に原因はないかと考えて見るに,Ultra−ATAへのハードディスクの交換しか思い当たらない。物は試しとBIOSでハードディスクのアクセスモードをPIOモード4からPIOモード3に変更し,ハードディスクのアクセス速度を落として見た。すると今までのトラブルが嘘かのようにすんなりとインストール作業が進む。

     最小限のインストールを追えた段階で,またハードディスクのアクセスモードをPIOモード4に戻し,立ち上げのテストを行ってみた。やはりダメだ。確実に立ち上がらない。次にCPUのクロックアップを元に戻して見ることにした。66Mx3の200Mにして見るとPIOモード4でも問題なく立ち上がる。

     では,Linux環境ではどうなのか。こちらの方では225M,PIOモード4で問題なく動作する。Windows95でのみ問題が発生する。


     今までの状況から推測すると多分こんな説明が成り立つのであろう。今回増設したUltra−ATA対応ハードディスクは,Ultra−ATAの性能を十分に発揮するために,ディスク回転数やディスク内部のキャシュ容量は従来のものより改善されている。このため,PIOモード4で使っても従来のハードディスクよりも高速に動作するものと思われる。また,クロックアップアップによりマザーボードのバス自体の速度が66Mから75Mに高速化され,更に高速動作する環境になっている。以上のような環境変化が問題を引き起こしたものと思われる。

     これとてマザーボードを別物にすれば直るパーツ間の相性問題かも知れない。75Mで動作する別のマザーボードを持っていないので確認する方法がないのが残念だ。

     ところで,Linuxでは問題が生じないのはどういう事か。これは,Windows95の32ビットハードディスクドライバの出来が悪く,Linuxのハードディスクドライバの出来が良いと考えるのが妥当だろうと思う。

     225Mで十分に動作するK6−P200を持っていながら,この問題の為に泣く泣く200Mで動作させている。なんとも情けないことだ。

     でも,ハードディスクの構成を変更して一週間はうまく動いていた。あの一週間は一体なんだったのだろうか。