スキャンな毎日 2003.1.7


GT-8300UF  昨年末にエプソンのフラットベッドスキャナGT-8300UFを購入した。大手の家電量販店から購入、ポイント割引を考慮すると結構安く買えたと思う。このスキャナ、標準で透過原稿ユニットが附属しており、35mmのカラーネガフィルムの取り込みが可能である。一度に6コマを取り込める。上位機種のGT-9700UFならば一度に12コマの取り込みが可能だ。さて、スキャナを買って何をする。なぜスキャナを買ったのか。

 自宅には子供の成長を撮り続けた大量の写真がある。妻が写真好きで、ことある毎に子供達の写真を撮りまくった。この写真のネガフィルムが後生大事に捨てられず残っている。写真はアルバムにきちんと整理されているが、ネガフィルムは無造作に束ねて箱に放り込んである。最近は、デジカメで写真を撮る機会が多くなったのでネガフィルムの増えるペースは落ちてきてはいるがまだまだ貯まる。

 デジカメで撮ってパソコンで画像を管理するようになるとその便利さがたまらなくうれしい。過去の写真もいっそ全てパソコンで管理できたらなと考えるようになった。子供達の写真をパソコンに取り込み、成長過程に合わせて整理しCD-ROMに焼いておけば、いずれ子供が離れて行くときにプレゼントできる。それよりも何よりも自分の過去の写真をパソコンに取り込んで見たい。

 こんなことをあれこれと考えた結果、写真取り込み可能なGT-8300UFの購入となった。年末・年始の休暇中に暇を見つけては、ネガフィルムからの写真取り込みを行った。10日間程で約30本のネガフィルム(24枚撮り)が処理できた。これが多いか少ないか。使い勝手はどうなんだろう。

 24枚撮りネガ1本の取り込み時間は、およそ1時間程度である。集中して真剣に取り組めば、もう少し短く40〜50分ぐらいで出来るかもしれない。他の事をしながらでの作業では1本あたり1時間と見積もっておくのが妥当な所。ただし、これはうまく取り込める場合である。



 約10日間使ってみての感想を述べて見る。
 スキャナに附属のドライバソフトには自動取り込みとマニュアル取り込みがある。

 最初自動取り込みを行っていたのだが不満な点が2点でた。1点目、ネガフィルムが古いからなのかどうか、全てが黄色っぽい画像で取り込まれる。パソコンに格納された画像ファイルを、後からフォトレタッチソフトでカラー修正を行う必要がある。2点目、ちゃんと6コマに分離されないことがあったり、取り込んだコマの大きさが異なった大きさになる場合がある。特に夜景を撮影したもので顕著にこの特性が現れる。ひどい時は、6コマ全部が一コマの細長い写真として認識されたりする。取り込んだ後の画像の大きさも微妙に異なり一定にならない。

 マニュアル取り込みならこんな問題は起こらないかも知れないと思い、マニュアル取り込みに挑戦してみた。しかし、発生する現象は同じである。ただ、マニュアルの場合には、プレビューができたり、取り込み後の画像の大きさが指定できたり、プレビュー時点で画像のカラー調整もできるので、パソコンに取り込んだ後からフォトレタッチソフトでカラー修正やサイズ変更を行う必要はなくなった。

 しかしマニュアル取り込みといえども6コマ全部が一コマの細長い写真として認識されたりすることには変わらず、このような場合には、フィルムを適当な数コマに切り離して、うまくコマが認識されるまでプレビューを繰り返す必要がある。

 最悪の場合には、1コマ毎に切り離す必要もあった。不思議なことに、透過原稿ユニットにセットする位置が少しずれただけで、例えば4コマのフィルムの内の1コマが認識されなかったりする場合がある。ある時は、1コマだけが異なる大きさになったりもし、プレビューの繰り返しを強いられることがある。



 原因を色々と考えて見た。夜景で撮影したものが特にうまくいかない。

 夜に撮影した写真は背景の周囲が黒く写っていて、ネガ上ではフィルムのコマとコマの切れ目がはっきりせずに、複数のコマが連結して認識されたり、ほとんど真っ暗な写真は認識されない場合がある。カメラのフィルム巻き上げの精度に依存すると思うのだが、ネガ上のコマの長さに微妙に不揃いができているものについては、夜景・昼景に係わらず、取り込んだコマの大きさが異なったり、隣のコマに跨って1コマと認識されたりすることがある。

 最近のプリンタやスキャナは高機能でありながら非常に低価格である。これは機能の大半をハードウェアではなくソフトウェアで実現しているからであろう。低コスト化のためにハードウェアは可能な限りシンプルにしてある。複雑なことは全てソフトまかせである。

 GT-8300UFは、フィルムスキャナ専用機ではなくフラットベッドスキャナである。ネガフィルムを透過するフラットベッド上の予め決められた範囲の大きさを一つの画像としてスキャンし、この画像からソフトウェアを駆使してコマとコマの切れ目を捜してコマを分割しているものと想像される。

 このコマの切れ目の判断は、光が最も通過する黒い部分を切れ目と見るようになっていると思われる。昼間に撮った写真のネガでは、コマの切れ目が肉眼でも良く判り、きちんとコマ分割される。切れ目のない夜の写真ではダメである。一定の長さで強制的にコマ割りするような仕様にでもなっていればこんなことは起こらないのではと思うのだが。

 次に、取り込み画像が黄色く色かぶりする件である。当初ネガフィルムが古いからかと思ったのだが、その後何本か取り込んで見た所、同じ1本のフィルムでもうまく色再現する場合もある。確かに昨年末に撮影した新しいフィルムの場合にはうまく色再現される。色かぶりは、経年によるネガの変質が影響しているのかも知れない。

 ともかく、こうして始めたフィルム取り込みであるが、全てのネガフィルムの取り込みが完成するのはいつのことやら検討もつかぬ。なお、このスキャナの使い道は他にもある。このホームページに車のカタログを掲載しているが、これらはこのスキャナで取り込んだものである。反射原稿については、申し分ない性能だ。また、附属のOCRソフト『読んde!!ココ パーソナル』も重宝している。

 暫くは、スキャナ取り込みライフが続きそうである。