須磨寺参拝 2003.3.23

     先日、須磨で道に迷った時、須磨寺の近くを通ったが、その駐車場には、大勢の参拝客を乗せた観光バスが駐車していた。その事を妻が思い出し、午後からの一時、須磨寺を訪ねて見ることにした。

     いつもの如く西神戸有料道路に鵯インターから乗り入れ、名谷の落合から須磨方面に走る。須磨離宮公園前の交差点を明石方面に右折、旧神明道路を少し走り、最初のトンネルを抜けたすぐ左に駐車場がある。彼岸の日を含む連休最後の日、たくさんの車が駐車している。幸いにも出る車があり待つことなく駐車できた。駐車場は、須磨寺の奧の山上に位置し、ここからは須磨の浜が良く望める。眼下を見るとたくさんのお墓が見える。

     ここの駐車場から、エレベータで下に降りる。降りた所が寺の墓場。お墓に供えられた花が新しい。彼岸の日は過ぎたが、まだ墓参りに来ている人をチラホラ見かける。寺社を訪ねた時は、いつもは山門や正面の鳥居をくぐって入るのが常であるが、この日は、奧の墓場からの訪問。普通なら決して足を踏み入れることも無い墓場からの訪問に、そこかしこに心霊でもいやしないかと、なんとなく気持ちが落ち着かぬ。いつもなら写真を撮ろうと言い出す妻が、写真を嫌がる。こんな所で写真を撮って変なものでも写れば困るという。以前、会津で白虎隊のお墓を写真で撮った時、心霊らしきものが写った経験がある。そんな事もあり、あなたがこんな所で写真を撮ればまた心霊写真が出来る、と妻が気味悪がるのである。

     墓場のある奧の院から敦盛塚、親子地蔵、三重塔を経て、本堂へと向かう。ここまで来ると参拝客も多い。本堂前から仁王門を出て、龍華橋を渡り、正覚院まで歩く。道の両側には、連休の参拝客目当ての屋台が並び、にぎやかな雰囲気。正覚院前にも駐車場があるが、こちらは有料。本来ならここに車を停めて、ここから参詣するのが本来の参拝ルート。こちらから来たなら写真も抵抗なく撮れたと思う。それでも、持参したデジカメで幾枚かの写真を撮った。

     本堂へ戻ろうと仁王門をくぐった後、元来た道を戻らず、源平の庭を経て、書院、本坊へと歩く。ここで梅ノ木の前で写真を一枚撮る。大師堂前の広場から本堂へと向かい、本堂で参拝を済ませる。この後、境内に設けられた屋台で明石焼きを食し、少しの休憩の後、鐘楼にて鐘をつく。響き渡る鐘の音色になぜかほっとする。

     駐車場へと戻る途中、三重塔に立ち寄る。塔敷地の周囲には四国八十八カ所のお砂踏み霊場がしつらえてあり、各札所の砂をガラス越しに踏んでお詣りが出来るようになっている。八十八体のお地蔵様がぐるりと敷地を取り巻き、お地蔵様の上の方には、各寺の名前が記した銘板が取り付けてある。お地蔵様のそばには、鐘とバチが置いて有る。一番札所のお地蔵様から反時計回りに八十八番のお地蔵様まで順に、鐘をつき手を合わせ拝んで行く。その時間十分余り。これで四国八十八箇所を全て廻れた訳ではないが、なんとなくその気にさせてくれ、御利益がありそうな気がする。この後、敦盛塚、六地蔵様にお参りし、墓場を通り抜け、エレベータで駐車場に戻る。駐車場入り口には入場待ちの車が何台か並んでいた。

     自宅に戻り、早速、デジカメで撮った写真をパソコンに取り込んだ。拡大してじっくりと眺めて見たが、心霊など何も写っていない。何か写っていれば、今後の話の種になったのにと思うと少し残念である。