スマートとは、これ如何に 2013.1.21

     数年前にスマートフォンが世に出た頃、その形が、平べったくって、ぶ厚くて、どうみても、すらっとしたイメージではないのに、スマートフォンと皆が呼んでいるのが不思議であった。

    最新のiPhoneは、薄くて形もスマートになった

     フォンと呼ぶだけに電話と思われるが、携帯電話と一体何が違うのだろうか、どこがスマートなんだろう、どうやったら使えるのか、などなど、携帯電話の進化に疎い私にとっては、 スマートフォンは暫く謎であった。さらに、スマートフォンとアイフォンの違いが判らず、考え出すと頭の中が余計にもやもやしてしまった。

     そんな私にはお構いなしに、スマートフォンに続けとばかりに、スマート○○○と呼ぶ商品や名前が、世にあふれ出し、さらに訳が判らなくなってきた。そこで、周りの者に 遅れてはならじと、一度しっかり調べて見ることにした。

     英語の smart には、今まで理解していた、「姿、形がすらりとしている」や、「行動が洗練されていて、きびきびしている」というような意味とは別に、「賢い、利口な」という別の意味があることを知った。 そしてスマートフォンのスマートは、この賢い、利口の意味で使われているのだと判った。スマートハウスやスマートキッチン、スマートメーターなども、やはりこの賢いの意味だ。

     この賢さを実現しているのは、勿論コンピューターであって、何も今さらスマートと呼ばなくても、コンピューターはずっと前から使われている。炊飯器などは、もう何十年も前からマイコン制御だ。 自宅の電気温水器もマイコン制御。テレビ、ビデオ、洗濯機など、最新の家電製品は、すべからくマイコンが搭載されている。

     ちょっと前、同じような意味のインテリジェントな○○○という呼び方があったが、こちらは、すぐに意味が判った。紛らわしいスマートは、ちょっと頂けないが、スマートの付く造語は、まだまだ出てきそうだ。

     お掃除ロボット「ルンバ」などは、さしずめ、「スマートクリーナー」とでも呼ぶのだろうかと思い、ネット検索したら、既にデンタル用品で「スマートクリーナー」という商品が見つかり、 東芝からは、そのものずばり、スマートロボットクリーナー「スマボー」なるお掃除ロボットが売り出されていた。「スマボー」のページでは、「intelligent-かしこく」の見出しで、”かしこくキレイにお掃除します”と説明があった。

     時に流行語は、きちんとした説明もないままに走ってしまい、戸惑っている人もあろうかと思う。世の中そんなものと達観してみても、判らない者には判らないのが世の常。人にやさしい説明が求められる。