紙の本はなくなる? 2013.2.6

     先日、ブックオフ(古本屋)の新書コーナーで、「書いて稼ぐ技術」という本を発見。別に、物書きになろうとか、 本を書いて一発当ててやろうとか、そういうつもりではなく、文書作りが少しでもうまくなればと思い購入した。

     文書の書き方のノウハウでも書かれているかと思い、期待して読んでみたが、「フリーライターとはどんな職業か」、 「フリーライターになるためには、」「フリーライターとして生きて行くためには」など、主にフリーライターに関して 書かれた本であって、具体的な文書作りのテクニックが書かれたものではなかった。

     ただし、”よい企画、よいアイデアをひねり出すためには、コマ目にメモを取ってみることや世の常識をたまには 疑って見ることも大事である”、という話などは、結構面白く読め、ためにもなった。

     この本の最後に、”今や電子化の時代、パソコンやスマホ、携帯端末で小説が読める時代になり、 いずれ紙の本が無くなってしまうと心配する人がいる。私は、紙の本は無くならないと思うが、さりとて、 フリーライターたるもの、紙の本だけではなく、ブログ、フェィスブック、携帯小説など新しいものにも柔軟に対応 していかなきゃだめだ”、と書かれていた。

     実際の所、辞書の類は、急速に電子化が進んでおり、今や携帯型の電子辞書やネットの辞書検索を 使うことがほとんどで、分厚い紙の辞書を使う人は、一部の人を除いて、皆無といってもよかろう。

     辞書や百科事典は、大量データの蓄積と、その中から必要な情報を瞬時に検索することを得意とする コンピューターにとっては、最もなじみやすいものであり、これらの電子化が進むのは自明の理であろう。

     紙の本といえども、それを書くライターや小説家は、すでにパソコンを使って書き、書いた原稿は電子メ ールで送っている。一方、ネット小説などは、紙でなければならぬ理由などないかの如く、全てが電子の世界。 パソコンで書いてネットにアップし、読む方もネットからダウンロードしてパソコンやスマホで読んでいる。

     従来は手に入れる事が容易では無かった電子部品のデーターシートなども、今は、ネットでPDF形式の 電子ファイルとして、簡単に手に入る。紙のシートが電子化したといえる訳だが、この背景には、インター ネットの普及が大きく貢献している。インターネットにより、誰もが、簡単に手に入れることの出来る環境が でき上がったからこそ、部品メーカーは、販売促進も兼ねて積極的にデータを電子化し、公開するようになった。

     一部の電気製品では、紙の取扱説明書は添付しないで、CDを添付していたり、必要ならネットで 勝手にダウンロードしてくれというものまである。メーカー側の印刷コストを削減し製品価格を抑え る為の策であるが、これもパソコンやインターネットの普及があってのこそ。

     こう見てくると将来は、紙の本が無くなるとも思えるのだが、データシートや取扱説明書などは、パソ コンで見るだけでは見ずらくて、ついつい紙に印刷してしまう。やはり、紙の形態も捨てがたく適材適所だと思う。

     紙の本でなければならない物は、紙として残るのだろうが、何がそれに該当するのかちょっと思いつかない。