色即是空空即是色 2013.4.11

     「色即是空空即是色」は、おなじみ般若心経にでてくる言葉。誰でもこの一節は知っていると思う。

     「形ある物すなわち空であり、空ある物すなわち形である」というような、ちょっと凡人には理解し難い概念だ。 目の前に存在している物でも、自分が意識しなければ見えていないので、有っても無いに等しいというふうに解釈するらしい。

     ところで、先日、インターネット動画サイトを見ていて、脳機能学者なる苫米地英人氏が、「色即是空空即是色」は間違いで、「色即是無無即是色」というべきだ、と話しているのを見つけた。

     彼が言うには、色は形ある物、つまり「有」であるが、「空」というのは、「有」、「無」の上位の概念であり、「空」は、「有」を含むし「無」も含む。だから、「是空」 というのはおかしい、ここは、「是無」というのが正しいのだとおっしゃる。

     ここで、「空」と「有」と「無」の関係について、それをあえて理解する必要もないのだが、自分なりにこんな風に考えて見た。

     相も変わらずコンピュータに関係する話で申し訳ないが、C言語の文字列ポインターで考えて見た。

      char *str;
      str = (char *)NULL;<--- これは、文字列が「空」の状態
      str = "abdefg";<--- これは、文字列が「有る」状態
      str = "";<--- これは、文字列が「無い」状態

     str = "";は、正確には、ヌル文字列が有るのだから、 これなど、まさに「無」と「有」がまったく同じもの、「色即是無無即是色」であると言えようか。

     どこかから、大きな勘違いという言葉が聞こえてきそうだ。