東京のK社から購入した仕事で使用する専用通信ソフトの試用を行う。無手順のパソコン通信ソフトとして有名なG社のベストセラー通信プログラムの簡易言語で作成された、いわゆるオートパイロットのプログラムだ。完全なオートパイロットではなく、要所要所ではオペレーターが簡単なキー入力をしてやらねばならないが、殆どの部分を自動的に処理してくれる。ところがこの手のソフトの致命傷として、何等かのエラーや予期せぬ状態が発生した場合の対処を柔軟に行うことが、その言語仕様上からプログラムすることが困難であるため、時として使いものにならない状態や処理ループを引き起こす事態が発生する。本日の試用でも、度々そのような事態が発生した。これでは、ちょっと正式販売は難しい。
特に無手順通信の世界では、回線上の文字化けを回復する手だてがプロトコル上に無いために、信頼度よく、例えば、ファイルアップロードを自動で通信エラーなしに実行させることは極めて困難といわざるを得ない。(このためにXMODEMなどのプロトコルが存在するわけだが)所詮、無手順通信は、オペレーターがインタラクティブに自分の目で確認しながら行うということであり、BBSアクセスやDBアクセスは、本来がそのような通信を前提としているのである。オートパイロットのプログラムを必要とする背景、ニーズも分からなくないが、ここのところは、まづホスト側がもっとユーザーフレンドリーな改善努力をしていくことが先決であり、そしてその実現の先においてもなおホストと端末間の自動通信を必要とするというのであれば、無手順ではなく有手順を採用すべきであろう。当然ハード、ソフトのコストアップを伴う。手軽に安く通信を行うというメリットの代償としてエラー回復不能な手順である無手順を使っているということを忘れ、端末ソフトにいくら小細工を施して見ても問題解決とはならないのである。