一時期,「パソコン,ソフトなければただの箱」とよく言われた.パソコンのビジネス利用の可能性が見えだした頃,時代の流れに敏感な大手企業では,社員教育にパソコン利用の課題を取り上げた.自分の直面する問題はこれからは自分達の手でパソコンを使って解決せよ,そのためには,プログラミングができなくてはだめだ,それ,みんなBASICを覚えろ(この頃はまだ,ロータスや一太郎のような,ビジネス利用に本格的に使えるソフトが無かった.),と今までコンピュータのコの字にも縁のなかった人達がせっせっせと勉強しだしたが,結局みな挫折,そうおいそれとパソコンは言うことを聞いてくれるもんじゃない,最悪なのは,会社でパソコンというものに触れて見て,これは面白いと個人レベルでパソコンを購入した人達である.
電器店から勇んで家に持って帰り,スィッチを入れてはみるもののパソコンはうんともすんとも言わない,付属のデモソフトも2,3回動かせば飽きてしまう,家族からは,お父さん何これ,高いばかりで何もできやしないじゃない,と罵られ,この哀れなお父さん,身のやり場に困って,呟いた一言が「やっぱりそうか,パソコンってソフトなければただの箱なんだ」.(今は,ソフトが充実してこの言葉もたまにしか聞かれなくなりました.)
先日,N君からもらったメールに,僕にとってのパソコンはドラえもんの魔法のポケットみたいなものです,と書いてあった.ドラえもんのポッケには,たくさんの四次元問題解決ツールが詰まっている,あれやこれやを組み合わせれば,なんでも出来てしまう.その組合せを色々考えるのが,これまた楽しいと言う.そう,最近のパソコン(ソフトも含めて)はよく出来ているのです.決してただの箱ではありません.
さて,私にとってのパソコンは? 「大人のおもちゃ箱」ってものです.