音楽CDのデータをWAVEファイルに変換(cdda2wav)


 サウンドドライバの組み込みが出来ると,次はミキサーやCDプレーヤー,WAVEプレヤー,MIDIプレヤーとアプリケーションを充実させていきました。これらのほとんどは,sunsiteのアーカイブを納めたCD−ROMから入手しました。

 これらの中で,特にお勧めしたいのが cddda2wav です。このプログラムは,LinuxのCD−ROMドライバを通じて音楽CDの曲データを直接読み取りWAVEファイルに変換してくれます。LinuxのCD−ROMドライバには,IDE/ATAPIとSCSI,その他サウンドブラスタのインタフェースを使うものがありますが,cdda2wav の最新バージョンではどのドライバでも動作します。

 CD−ROMの音楽CDのデータは,ステレオ,16ビット,44.1Khzサンプリングで録音されており,CD−ROM一枚では,約640Mbものデータ量になります。cdda2wav は,WAVEファイルへの変換にあたり,ステレオ/モノラル,8/16ビット,サンプリング周波数を自由にオプションで指定できます。音楽CDと同じクオリィティで録音するとなると,CD−ROM1枚当たり640Mbものディスクスペースが必要になります。もちろん複数の曲が録音されたCD−ROMから,好きな曲だけを指定して変換することも可能です。digital to digital で変換されますから,ディスクに録音したデータを wavplay や play のWAVEデータ演奏プログラムで再生すると,音楽CDと全く同じ品質で聞くことが出来ます。

 今や大容量ハードディスクが安く手に入るようになりましたので,ディスクを増設させすれば,レンタルショップで借りてきた音楽CDの好きな曲を手軽に高品質で録音して残しておくことができます。

 このようになかなか重宝するプログラムですが,問題はどのCD−ROMドライブでも動くものではないことです。これは,このプログラムの問題ではなくて,CD−ROMドライブの方に原因が有ります。SCSIコマンドやATAPIのパケットコマンドには,音楽CDのデータを直接読み出すコマンドが規定されていますが,これを忠実にサポートしているドライブが少ないのです。

 SCSIドライブについては使ったことが無いので良く分かりませんが,ATAPIについては,4倍速と8倍速のものについて何メーカかテストして見たことがあります。東芝製のドライブは問題ありませんでした。ミツミのドライブについては,一見うまくいっているかのように見えるのですが,変換されたデータを再生してみると雑音だらけという有様でした。あるメーカに至ってはLinuxのCD−ROMドライバがエラーを出力し全く使えない状態でした。カーネルのCD−ROMドライバである ide-cd.c のソースプログラムの冒頭部分には,ソニーのドライブも問題ないような記述があります。cdda2wav のソースパッケージの中の Readme にも,動作可能なCD−ROMドライブが記述されています。興味ある方は一読してください。

 cdda2wavは次の所で入手できます。
    http://www.sunsite.unc.edu/pub/Linux/apps/sound/cdrom/

    cdda2wav にて音楽CDからディスクに録音したWAVEファイルの扱いには注意してください。あくまでも個人で楽しむ範囲に止めておくことです。



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